バリュー株とグロース株があるみたいだけど
どっちに投資するのがいいの?
それぞれのデメリットも知りたいな
こんな疑問にお答えします。
私は現在シンガポールに住みながら投資をする投資歴5年の兼業投資家です。現在3500万円ほどを株やリートで運用しています。銘柄としては20銘柄ほど、バリュー株もグロース株も実際に投資しています。
バリュー株投資とグロース株投資とは株式投資における2つの投資法です。
同じ株式投資でも、両者の投資態度は全く異なりますのでそれぞれの違いを理解して、自分の投資スタイルや投資目的に合った投資をすることが重要です。
両者の特徴を理解することは投資そのものを理解することにもなりますので、特に投資を始めて間もない方が是非チェックしてみてください。
ここでは株式投資初心者向けに下記の内容をわかりやすく解説します。
- バリュー株、グロース株それぞれの特徴
- バリュー株、グロース株のメリット・デメリット
- バリュー株、グロース株どちらの投資がおすすめか
投資初心者の方は是非チェックして、今後の投資にお役立てください。
バリュー株投資とは
バリュー株投資とは
「ある企業の株価がその企業の実際の価値より低い、株価が割安だと感じられた時に
その株をバリュー株(安くてお買い得な株)と判断して投資する投資法」
のことを指します。
例えば1株1000円で1億株発行している企業の時価総額は1000億円になります。
この企業の財務状況や収益性、将来性を考えた時に企業価値が1000億以上と考えた時に
現在の株価1000円は安いと映ります。
このように市場にある割安な銘柄に投資をするのがバリュー株投資です。
額が大きいのでピンとこないかもしれませんが、例えば10万円くらいの価値があるパソコンが3万円で売りに出されていることに気付いたら、お買い得と思い買う人もいると思います。投資と消費は違いますが割安商品を買うという意味では同じです。
重要なのはその企業が本当に割安かどうかです。
先程のパソコンの例でいくと、本当に10万円の価値があるのか、実は欠陥品では?細かいスペックはどうだろう?と確認が必要です。
株式投資においてこの確認がファンダメンタルズ分析となります。
ファンダメンタルズ分析とは企業の売上や利益、財務状況などを複合的分析する手法です。こういった分析を頼りに今の価格が本当に割安なのかどうかを図ります。
同じ数字でも捉え方は人によりますので、数字をどう読み取るかも投資センスと言えます。
この価格の見立てが正しく、購入した時点が思惑通り割安であれば、その後株価はあがり儲けが出ます。はずれると株価は上がらずに損がでることもあります。
チャートの動きは直接的には関係ありませんので、株価が下落してきていても企業価値があると判断した際は買いに走ります。
たまに安い株へ投資するのがバリュー株投資と考えている人もいますが、これは違います。あくまで本来の価値よりも安くなっている企業の株を買うのがバリュー株投資です。
安い株を買うのでなく、「株を安く買うこと」がバリュー投資の全てです。
バリュー投資家は総じて長く株を保有する傾向にあります。
グロース株に比べて株価推移がなだらかで、ある程度どっしり構える傾向にあります。
投資の神様ウォーレンバフェットはバリュー株投資家として有名です。
バフェットは常々企業の本質的価値を見抜く重要性を説いており、経済的な堀にも注目をしています。企業の財務諸表、数字には合わられないビジネスモデルの構造上の強みなど企業の分析に余念がありません。
バリュー株投資は本来非常に骨の折れる投資です。
バリュー株投資のメリット
グロースに比べて短期的なリスクは低め
グロース株は総じて値動きが激しいので短期間でマイナスをだす可能性があります。
対してバリュー株は総じて株価がなだらかなので、短期で大きく株価が動く可能性が低いです。リスクの幅も狭いといえます。
また株が安いときに買いに行くので、そこからさらに含み損をかかえるリスクも軽減できるとも言えます。ただこれはあくまで株が安いという自分の目論見があっている場合です。
バリュー株であっても個別株投資は投資の中ではハイリスクな投資です。
長期保有でインカムゲインを得ることができる
株価が比較的安定しているバリュー株は長期保有に適しています。
バリュー株には配当が高い銘柄も多く、長期で持ちながら株価が伸びていくのを待ちながら保有中は配当によるインカムゲインを得ることも可能です。
グロース株の多くは配当のでない無配株ですので、配当はバリュー株のメリットともいえます。
グロース株のように忙しく売買する必要も無いので、態度としてはある程度ゆっくり構えていられます。
しかし長期保有に適しているとは言え、ほったらかし投資が可能というわけではありません。もしできるだけ手間を減らしたいのであればインデックスファンドやロボアドバイザーを利用する方がおすすめです。
バリュー株投資のデメリット
割安かどうかの判断が難しい
企業の価値を図るのは簡単ではありません。
財務諸表を読み解いたり、業界動向や、マクロの介入度合いなど様々な角度から銘柄と今の株価の関係を分析する必要があります。経済や財務の勉強も必要ですし、分析に時間もかかります。
判断を誤ると、企業価値の低い不人気株を買ってしまい株価がずるずる下がって資産を無駄にする可能性もあります。
投資しようとしている企業の価格を推し量るのはプロでも難しい芸当です。逆に言うと、今の適正価格が誰でもわかってしまば、みんな儲かることができるので、そこを出し抜こうとするのであれば継続的な勉強が必要になってきます。
資産形成に時間がかかる
バリュー株はグロース株に比べて株価の動きがなだらかで、リスクが低めというメリットがありますが、これは逆を返すと利益がなかなか出にくいということにもなります。
バリュー株投資家が長期間保有する傾向にあるのも、利益が急にのるのでなく、じっくりと増えていくからです。
最終的に利益がのってくれば、まだいいのですが、長い時間をかけても市場平均を下回るパフォーマンスになると、わざわざ個別株に投資せずにインデックスファンドに投資しておけばよかったということにもなりかねません。
配当を受けながらじっくり資産を築くには向いていますが、資産形成に時間がかかるのはデメリットと言えます。
グロース株投資とは
グロース株投資とは「今後伸びるであろう企業」や「今伸びている企業」に投資ししてキャピタルゲインを狙う投資法です。
グロース=成長。文字通り成長している企業にベットします。
グロース投資には大きく2つあります。
IPO投資といって新しく株式市場に上場する企業に投資をする方法。
そしてすでに上場済みでいくつかの決算を超えて成長が目覚ましい企業に投資する方法です。
リスクが高い分短期でリターンも期待できるのはIPOに投資です。国内株ですと応募が殺到して抽選になかなか通らないということも起こります。新しい技術やサービスを展開するIPO株は期待度も高く上場してからすぐ上がりやすいという特徴もあり人気です。
ただすべてのIPOが成功するわけではなく、また情報リソースも限られているためリスクは高くなります。
すで上場しており成長目覚ましい企業に投資する方法はもう少し情報を得やすいのでリスクがさがります。ただそれでも多くの成長企業は若い企業が多いので実績もまだ少なく経験値の高いバリュー株とはことなり、評価がまだまだ不安定ですので、リスクは高めということも言えます。
しかし成長が目覚ましい企業は人気も高く株価も上がりやすいため、短期間でキャピタルゲインを得るのには向いています。
グロース株の場合もバリュー株と同様ファンダメンタルズ分析は重要ですが、チャートの理解大切です。バリュー株に比べて株価の上下が激しく、ボラティリティが高いのでチャートがどんな形を形成しているかは投資判断の材料として見ておきたいところです。
基本的には右肩上がり急上昇中の株を順張りで買う傾向にあります。
グロース株のメリット
短期間で大きく稼げる可能性がある
グロース株投資はあたると大きなリターンをもたらします。
株価が10倍にも20倍にもなる可能性を秘めています。
この一点だけでもグロース株投資をするには充分なメリットです。
バリュー株も数倍に株価が跳ね上がることはできますが、時間がかかります。
需給でもっていける部分がある
バリュー投資の肝は企業の値踏み(バリエーション)です。そしてこれには経済や財務、ビジネスモデルへの深い理解が必要です。
グロース投資においてもこの基本は変わらないのですが、バリュー株投資に比べると甘めです。企業の価値だけでなく人気がでた株の波に乗って稼いでしまうことも可能です。
ある銘柄の需給を考えてそこに短期的にのっかり稼いでいくという方法も取れます。
研究をせずに望むのは博打になってしまいますが、綿密な企業分析が必要かというとバリュー株ほどは不要な場合もあります。
グロース株のデメリット
リスクが高い
グロース株はボラティリティが高く、株価が急激に動いたりしますのでリスクが高いです。
夢はあるのですが、株価が急に10%、20%と下がる可能性があります。
市場平均を目指すインデックスファンドが人気なのは、プロでも平均パフォーマンスを毎年上回るのは難しいからです。この点は理解をしておく必要があります。
成長企業の見極めは難しい
多くのグロース企業はまだ創業してから数年という若い企業です。
そうした実績値が少ない企業が今後順調に伸びていくかどうかの見極めは非常に難しいです。
新しい技術を展開する企業でも、すぐに競合が現れてシェアを奪われてしまうかもしれません。
創業当初の経営陣は優秀だったのにその後メンバーが変わり業績が悪化するかもしれません。
経済状況が悪くなり金回りが悪くなりキャッシュフローの不安を抱えるかもしれません。
創業間もないときはまだ体力もありませんので、非常にナイーブです。
未来を明るく描くストーリーだけでなく、最悪のシナリオも考えた上で投資するのがよいかもしれません。
バリュー株とグロース株どっちがいいの?
ここまでバリュー株とグロース株の特徴とメリット・デメリットを説明してきました。
それぞれ一長一短ですが、では投資初心者におすすめなのはどちらか?
基本的にこれは性格的な向き不向きやリスク許容度によって人それぞれとなります。どちらが優れているというものではないので目的と自分にあった方を選ぶほうが良いと思います。
ただそれでもどちらかというと個人的にはグロース株の方がおすすめです。
理由はシンプルに株価が伸びている株に順張りした方が利がのりやすいからです。無駄に待つ必要もないので、投資判断も早くできます。
実際私はアメリカ株でバリュー株もグロース株もしていますが成績は下記です。(配当は含めていません)
バリュー株
AT&T -13% (保有3年以上)
3M +18% (保有2年以上)
アルトリア +9% (保有2年以上)
グロース株
クラウドストライク +92% (保有1年以上)
オクタ +57% (保有2年以上)
ドキュサイン +61% (保有1年以上)
これはあくまで一例ですので、参考値と見ていただければと思います。
もちろんこれだけでバリュー株がだめというわけではありませんし、私は今もバリュー株を保有しています。
ただ投資初心者であればまずはグロース株で素直に稼ぐのがいいのではと思います。
私の投資銘柄はこちら
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回はバリュー株投資とグロース株投資について解説しました。
どちらかのスタイルに決める必要もないので、どちらの投資法も試してみて自分に合う方で投資をしていくのもよいかもしれません。
個別株投資はバリューにしてもグロースにしてもリスクは高い投資になりますで、もし心配でしたら少額から投資するのもおすすめです。
最近ではLINE証券やPayPay証券 といった少額から簡単に投資できるアプリもあります。内容はしっかりしていますので、こういったサービスを使ってみるのもよいかもしれません。
日本株ならLine証券、アメリカ株ならPayPay証券がおすすめです。
株式投資は奥が深いですが、そこが面白みでもあります。
今回の記事が少しでもあなたの今後の資産形成に役立てればとても嬉しいです。
それでは、また👋
株式投資には様々な投資スタイルがあります。こちらもどうぞ
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