【初心者向け】NISA・つみたてNISA・iDeco どれがいいの? 各口座の解説と比較

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資産運用を考える上で、株や債券など「何を買う」かは最重要ですが、「どう買うか」も大切です。

税制優遇を受けられるNISAやiDecoはうまく活用することで資産を効率的に増やすことができます。

投資を始める際には必ず検討すべき制度です。


ここでは投資初心者向けに
NISA,積み立てNISA、iDecoについてわかりやすく解説します。

この記事でわかること


・NISA、つみたてNISA、iDecoそれぞれのメリット、デメリット

・NISA、つみたてNISA、iDecoの違い

・自分に最適な口座

NISA、つみたてNISA、iDecoはどれがいいの?

先に結論です。

NISA、つみたてNISA,iDecoどれが一番良いかは
あなたの資産運用の目的や現在の状況(年齢、家庭状況、収入等)によって変わります

NISAがおすすめな人


・投資を理解していて(もしくは興味があり今後やりたい)好きな株を自由に買いたい人

・5年以内で儲けを出したい人

・年間40万円以上を非課税取引したい人

・リスクをとって大きく儲けたい

つみたてNISAがおすすめな人


・投資にあまり時間をかけたくない

・コツコツと積み立てて10年、15年と長期間運用して着実に資産を増やしたい人

・出来るだけ損をするリスクを軽減したい

iDecoがおすすめな人


・年金の足しに老後の生活を豊かにするために今から積み立てて資産運用したい人

・60歳まで使う必要がない余剰資金を確できる人

・iDecoの仕組みを理解できる人

比較表

NISA積立NISAiDeCo通常の証券口座
運用期間5年(最長10年)20年加入から、60歳まで
10年間延長可能
制限なし
年間投資額の上限120万円40万円14万4000円~81万6000円
職業と加入済の年金制度による
上限なし
非課税枠
(総額)
600万円800万円年間投資上限額x運用期間なし
節税メリット運用で得た利益は非課税
約20%の節税
運用で得た利益は非課税
約20%の節税
掛金全額が所得控除
運用益は非課税 
注:払出し時には課税
なし
投資方法自由つみたて投資のみつみたて投資のみ自由
途中解約できるできる原則できないできる
損益通算できないできないできないできる
運用できる商品株、投信、ETF、REIT等一部の投信とETF定期預金、投信、保険株, 投信, ETF, REIT等
出金いつでもOK いつでもOK60歳まで原則不可能いつでもOK

ポイント


・大前提としてNISA,つみたてNISA,iDeco全て投資です。貯金とは違い、お金が増えることもあれば減ることもあります。

・NISAとつみたてNISAはどちも一緒にはできません。どちらか一つを選ぶ必要があります。

・iDecoはNISAやつみたてNISAと併用できます。

・NISAとつみたてNISAは投資・資産運用。iDecoは年金。

・個人的に初心者向けに一番おすすめは「つみたてNISA」

それではそれぞれ解説していきます。

NISA

NISA通常の証券口座
運用期間5年(最長10年)制限なし
年間投資額の上限120万円上限なし
非課税枠(総額)600万円なし
節税メリット運用で得た利益は非課税
約20%の節税
なし
投資方法自由自由
途中解約できるできる
損益通算できないできる
運用できる商品株、投信、ETF、REIT等株、投信、ETF、REIT等
出金いつでもOK いつでもOK

運用期間は5年、1年で120万円まで使えます。

運用できる商品は幅広く国内外の株、投資信託、ETF、REITなどに自由に投資できます。

通常株などの運用益には20%ほどの税金が掛かりますが、NISAではこれがゼロになります。

例えば
2020年:A銘柄を120万円購入
2025年:A銘柄を240万円で売却
した場合、儲け120万円となります。

普通は、利益120万円の約20%(=24万円)を税金で取られますが
NISA口座で取引をするとこれがゼロになり、120万円をそのままもらえます。
24万円分の節税になるということです。

仮に上限の5年を過ぎた場合、例えば6年目に売る場合は通常通り課税されるか、
もしくは別の年の120万円の枠を使うかのどちらかになります。


120万円の枠は一度しか使えません

例えばA銘柄を120万円購入して2か月後にすべて売却して利益を非課税で受け取って、
その後NISAの枠でまた120万円というわけにはいきません。使えるのは一度だけです。

NISA, つみたてNISA、iDecoの中で一番自由度が高いのがNISAです。

ただうまく利益がでないと節税は限定的です。
たとえば120万円買って4年、5年と運用して125万円になったとしても、節税額は1万円の節税のみ。

仮に赤字になったら意味がなく、実はNISAには値下がりに弱いという一面があります。
特に期限の5年目に値下がりをしている中々厳しい状況に追い込まれます。
(値下がり時のリスクについてはこちらのダイアモンド社の記事もどうぞ)

NISAの特徴は良くも悪くも自由度が高いということ。
つみたてNISAに比べると選択肢が広いのですが、投資初心者の方は何を買ってよいかわからないという事態に陥りかねません。
ただ投資をよく理解されている方はうまく使える制度だと思います。

メリット
・自由度が高い、いつでも買える、いつでも売却できる
・投資できる商品が多い
・大きく儲けられる可能性がある

デメリット
・自分で都度銘柄選定をする必要があり、ある程度投資に時間をかける必要がある
・値下がりに弱い

こんな人に向いている
・リスクをとってまとまったお金を使って早めに増やしたい
・すでに株式投資をやっていて銘柄選定などが苦にならない

つみたてNISA

積立NISANISA
運用期間20年5年(最長10年)
年間投資額の上限40万円120万円
非課税枠(総額)800万円600万円
節税メリット運用で得た利益は非課税
約20%の節税
運用で得た利益は非課税
約20%の節税
投資方法つみたて投資のみ自由
途中解約できるできる
損益通算できないできない
運用できる商品一部の投信とETF株、投信、ETF、REIT等
出金いつでもOKいつでもOK 

運用期間は20年、1年で40万円まで使えます。

1年で使える額はNISAより少ないですが、運用期間が長いので使える総額の枠は大きいです。

節税メリット、上限額の考え方はNISAと同じです。
運用利益(売却した時の利益と配当)が税金ゼロで受け取れます。
上限額は売却しても復活せずに一度だけです。

NISAとの違いは期間と額です。

運用期間が20年と長いのは大きなメリットです。
なぜなら主に株式の投資において、期間が長ければ長いほど元本割れのリスクが低くなるからです。

もちろん、下手な投資先に投資してしまうと長く投資しても資金が増えない、もしくはどんどん減ることになります。
ただつみたてNISAで選べる銘柄は金融庁のお墨付きの優良商品です。

投資である限りリスクはありますが、他の投資商品と比べるとリスクは限定的とも言えます。
これらの優良商品を非課税で長期運用できるのはメリットが大きいです。


つみたてNISAは「つみたて」での購入しかできません

自分のタイミングで好きな銘柄に投資できるNISAと違い、決めた銘柄を毎月つみたてていくことになります。ボーナス月に増額などもできますが、基本毎月1万~3万ほど積み立てていくイメージです。

これをメリットと捉えるかデメリットと捉えるかは人によりますが、初心者にとってはメリットも大きいと思います。

なぜなら安い時に買って高い時に売る、タイミング投資はプロでも難しいからです。
人の感情は時にパフォーマンスの邪魔をしますので、淡々とつみたてる(ドルコスト平均法)つみたてNISAの手法は投資の上で一種の正解です。

個人的にも一番おすすめが「つみたてNISA」です。
つみたてNISAで人気のあるS&P500のインデックス商品は多くの投資家が長期投資している商品です。

メリット
・一度商品を選んでしまえば後はつみたてなので比較的運用が楽ちん
・選べる商品はどれも優良商品、間違いが少ない
・投資期間が長いのでパフォーマンスが期待しやすい

デメリット
・毎月購入する「つみたて」しかできない。好きなタイミング投資はできない
・投資できる商品数が少ない

こんな人に向いている
・リスクは出来るだけ抑えコツコツ増やしたい
・投資にはあまり興味がなく、時間をとりたくない

iDeco

iDeCo積立NISA通常の証券口座
運用期間加入から60歳まで
10年間延長可能
20年制限なし
年間投資額の上限14万4000円~81万6000円
職業と加入済の年金制度による
上限なし
非課税枠(総額)年間投資上限額x運用期間800万円なし
節税メリット掛金全額が所得控除
運用益は非課税
 
注:受け取り時には課税
運用で得た利益は非課税
約20%の節税
なし
投資方法つみたて投資のみつみたて投資のみ自由
途中解約原則できないできるできる
損益通算できないできないできる
運用できる商品定期預金、投信、保険一部の投信とETF株、投信、ETF、REIT等
出金60歳まで原則不可能いつでもOKいつでもOK

iDecoはNISA、つみたてNISAと考え方が違います。全くの別物です。

NISA、つみたてNISAは投資、資産運用が目的ですが、
iDecoは個人型確定拠出年金です。私的年金の一種です。

ですので、老後の年金の足しに今から積み立てが必要かどうかを検討すべきです。
そしてiDecoは制度が少しややこしいので説明が長めになります。ご容赦ください。。


iDecoは私的年金ですので60歳にならないとお金を引き出せません。
そして途中解約もできません。(金額変更は可能。最低5000円/月)

60歳までお金をおろせない。これは大きなデメリットです。
NISAやつみたてNISAは最悪お金が必要になったら売ってお金にできます。

ライフステージによってはお金が苦しくなる時期も出てきます。iDecoを始めるならこの点をちゃんと考えておく必要があります。

節税メリットはNISA、つみたてNISAとは異なり、少し複雑です。

収入や控除、企業年金に入っているかどうかで節税メリットの効果が異なります。

iDecoの節税メリットは掛け金がすべて控除になり、所得税が安くなるというかたちでの節税になります。

例えば年収500万円のサラリーマンで妻子あり(子供は小学生二人)で企業年金には加入していない場合で
iDecoを月々2,3000円を積み立てる場合。

iDecoをやらない場合は所得税と住民税で合計30万円ほどの支払いになるところが、
iDecoをすると26万円ほどで済みます。年間でおよそ4万円の節税が可能です。

ここは読み飛ばしてOK:上記仮定での所得税額計算

条件:年収500万円のサラリーマンで妻子あり(子供は小学生二人)
社会保険は70万円、控除は給与所得控除、基礎控除、 配偶者控除のみ。

収入    :500万円
給与所得控除:144万円(20% + 44万円)
社会保険控除:70万円
配偶者控除 :38万円
基礎控除  :48万円
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
課税所得  :200万円
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
所得税額  :102,500円(10% -控除97500円)
住民税   :205,000円(10%+平均割)

これがiDecoで仮に年間276,000円(月々2,3000円)つみたてたとすると掛金が控除されるので

課税所得は200万円→ 1,724,000円
所得税は102,500円→ 86,200円(ー16,300円)
住民税は205,000円→ 177,400円(ー27,600円)
合計43,900円の節税

異なる収入や掛け金の場合を知りたい場合はこちらの記事の中央部にある早見表をどうぞ

NISAやつみたてNISAは運用益にかかる税金がゼロになることで節税になります。
ですので、投資で儲かって利益が出なければ意味がありません。

その点、iDecoは投資商品を買った段階で控除できるので節税が確定します。
これはiDecoの大きなメリットです。

所得税に明るい人なら気づくかもしれませんが、あくまで所得税を減らす格好ですので
すでに、ふるさと納税、住宅ローン控除、生命保険料控除・地震保険料控除などですでに所得税が抑えられている人には節税効果が薄まります。

所得税を多く払っている人ほどメリットを享受できます。


iDecoは運用時には税金はかからないのですが、最終的に60歳以降にお金を受け取る際に税金がかかります。
これは利益にかかるのではなく、掛け金含む受け取るお金(拠出額)全てにかかります。

受け取りには一括でうけとる「一時金受け取り」と「年金と一緒にうけとる」方法があります。

細かい説明はここでは省きますが、多くの方が一時金で受け取っています。
なぜなら一時金で受け取ると退職金と同じ扱いになり税制優遇が効いて少ない税で受け取れるからです。

例えば勤続年数25年、iDeCoで受け取る一時金が1,500万円の場合、税金は約26万円ほど。
課税はされますが、税金が1.7%ほどに抑えられます。

ちなみに仮に元本が毎月23,000円積み立ての25年=690万円だとすると
運用益は810万円。普通の証券口座ですと運用益に20%課税ですので162万円の税金がかかります。

ただ上記は加入している年金や加入期間等でかなり変わりますのであくまでイメージとして捉え、
「受け取りの際に課税はされるけど、かなり配慮されて大きな%が引かれるわけではない」という程度で考えて頂ければと思います。

ここは読み飛ばしでOKです:iDeco一時金受け取りでの税額計算式

退職所得の計算式:(収入金額-退職所得控除額)×2分の1×税率

退職所得控除額:(25年-20年)×70万円+800万円=1,150万円
退職所得   :(1,500万円-1,150万円)×2分の1=175万円
所得税    : 175万円×5%×1.021=8万9,337円(所得税)
住民税    : 175万円×10%=17万5,000円(住民税)
税額合計:約26万円

iDecoは何かと制度が複雑でわかりにくいですね。。

ただ節税メリットがあるのは確かです。特に所得税を多く払っている人には効果が高いと思います。
しかしやはり60歳までお金を引き出せない、やめられないというのは中々簡単に始められないハードルですね。

メリット
・投資の損益に関わらず所得税がやすくなる税制メリットを受けられる
・受け取り時は税金がかかるが通常の口座の利益にかかる20%の課税よりは抑えられる

デメリット
・60歳まで引き出せない
・一度始めたらやめられない
・制度が複雑

こんな人に向いている
・給与が多くて税金をたくさん払ってる。
・余剰資金があり、苦なく60歳まで積み立て可能。

まとめ

いかがだったでしょうか?

NISA, つみたてNISA, iDecoはうまく使えればあなたの資産を増やす協力な武器になります。

個人的には20〜40代の人には つみたてNISAが一番おすすめです。
NISAよりは少ない労力で着実なリターンが期待できると思います。

iDecoは資金がロックされてしまうので個人的には手を出しにくいですが、5,000円から可能なので下手な保険に手を出すよりはよっぽどいいとも思います。

最適な商品や口座は人によって、そして目的によって違います。
老後のための資産運用と、マイホームへの資産運用、特に使用用途の決まっていない完全余剰金での投資は全く異なります。

是非、目的と今後のライフプランも検討しながら検討してみてください。

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