
シンガポールで投資をしてきたけど、日本への本帰国が決まった。
これまでシンガポールで運用してきた株とかどうしよう?
売却して日本でNisaとかに投資したほうがいいのかな?
こんな悩みに応えていきます。
シンガポールで運用してきた株やリートを売却して日本のNISA口座などに移すべきなのか、それとも今の資産をキープして運用を続けるべきなのか。
本記事では、シンガポールから日本に本帰国をする際に、帰国後の資産運用を考える上でのポイントをわかりやすく解説していきます。
せっかくシンガポールで資産形成をしてきたのに、引っ越しのタイミングで慌てて売却したり崩してしまうのはもったいない。帰国は“整理”ではなく“再設計”。
日本に戻ってからも、無理なく続けられる運用の形に整えておきましょう。

シンガポールと東京二拠点サラリーマン投資家。運用額4,500万円、年間受取配当70万円。
2018年配当の存在すら知らない状況から投資スタート。その後、投資の重要性を知り備忘録としてブログにて発信開始、最高月間4万PV。
2021年Youtube開始、2022年に「シンガポールでのお金の増やし方」を出版(レビュー★4.5)。
シンガポールの日系最大級メディアSingalifeにて継続的に投資セミナーに登壇中。
フィリップ証券はシンガポールで唯一日本語対応のある大手証券会社。金融都市シンガポールのアナリストが作成したアナリストレポートが読める。サービスレベルも高く、手数料も安めなので、これから証券口座の開設を検討されている方はチェックしてみてください。シンガポールの証券会社ですが日本やアジア各国からの口座開設も可能!
シンガポールから日本へ帰国後の資産運用について考えるべき3つのポイント

シンガポールから日本に帰国するにあたり、今の投資を継続するか、日本で新たに始めるか、具体的なアクションを考える上でまず3つの切り口から考えてみます。
1. 為替リスクをどう考えるか
まずは為替です。日本帰国後、資産を円建てで統一するか、米ドル(USD)やシンガポールドル(SGD)など他通貨で一部運用を続けるかを検討しましょう。
帰国後に必要になってくるのは円ですが、資産運用の観点からすると円ですべて運用するリスクもあります。
今一度自分がどんな資産(株、リート、保険など)をどの通貨で運用しているのかを確認し、その為替配分で日本帰国後も問題ないか、リスクがあるのであれば再配分を考えましょう。
- 円だけで運用するリスク: 円は長期的に見て不安定な側面もあり、為替変動によって資産価値が目減りするリスクがあります。
- 米ドルでの運用: アメリカ株やETFを保有していれば、引き続き米ドル建てで運用することが可能です。米ドルは世界的に信頼度が高いため、リスク分散に役立ちます。
- シンガポールドルでの運用: シンガポールリートや株式を保有している場合、SGDでの運用を続ける選択肢もあります。
2021年3月〜2026年2月末の5年間でUSD/JPYは +43.96%、SGD/JPY +52.87%です。この値動きと今後の世界情勢や経済をどう見るかで為替配分も変わります。
2. 税制について考える
シンガポール駐在中に資産形成をしてきた方が、日本へ本帰国する際に最も注意すべきなのが「税制の変化」です。帰国した瞬間から日本の税法が適用されます。
シンガポールは、キャピタルゲイン税が原則非課税で、株式やETFを売却しても税金はかからず、配当も比較的シンプルな扱いでした。しかし、日本へ帰国すると、これらにすべて課税がされます。
特に注意すべきは以下の3点です。
- シンガポールで継続投資しても課税される: 日本に帰国後はたとえ証券口座はシンガポールであっても日本の税制が適用されます。株式やリートの配当、売却益には約20.315%の税金が課されます。
- 確定申告が必要: 日本で特定口座で運用すると税金が自動的に引かれるため個人の申告は不要ですが、シンガポールで運用しているものについては、毎年利益に応じて日本での確定申告が必要です。「年間取引報告書」を証券会社から入手して確定申告をすれば済む話ですが、一手間かかります。詳細はお使いの証券口座に確認ください。
- 帰国前と帰国後で「課税タイミング」が変わる:もうひとつ重要なのは、売却のタイミングです。もし大きな含み益がある資産がある場合、「帰国前に売却するのか」「帰国後に売却するのか」で税負担が変わる可能性があります。帰国前に売却すればシンガポールの税制下、帰国後に売却すれば日本の税制下です。これはケースバイケースですが、帰国前に一度整理しておく価値があります。
| 項目 | 🇸🇬 シンガポール | 🇯🇵 日本 |
|---|---|---|
| 居住者課税の原則 | 原則シンガポール源泉所得のみ課税 | 全世界所得課税 |
| 株式売却益(キャピタルゲイン) | 原則非課税 | 約20.315%(申告分離課税) |
| 配当課税(国内株) | 原則非課税 | 約20.315%(源泉徴収) |
| アメリカ株配当 | 約30%(国外源泉) | 約28.3%(確定申告で外国税額控除あり) |
| 為替差益(個人) | 原則非課税 | 課税対象(雑所得等) |
3. 投資対象の継続運用が可能か
本帰国にあたって、多くの方が見落としがちなのが「今持っている投資商品を、帰国後もそのまま運用できるのか?」という視点です。
通貨や税制の話はよく意識されますが、実はそれ以上に重要なのが「運用の継続性」です。せっかくシンガポールで築いたポートフォリオも、日本に戻った瞬間に同じ環境で運用できるとは限りません。日本の証券会社はシンガポールの証券会社に比べて取り扱い商品が少なく、海外移住者へのサービスも限定的です。
- 日本の証券会社は取扱商品が限られる
シンガポールの証券会社では、
・S-REIT
・SGX上場株式
・海外ETF
・多通貨建て債券
・米国株オプション
など、比較的自由度の高い商品ラインナップがあります。
一方、日本の証券会社は米国株や一部の海外ETFは購入可能ですが、シンガポール上場のREIT、SGD建て再建、一部の海外ファンドなどは、取り扱いがないケースが多いのが現実です。
つまり、帰国後に日本証券口座へ資産を移そうとすると、同じ商品を持ち続けられない可能性があるということです。
その結果、意図しない売却、通貨の強制変更、投資戦略の変更が発生することがあります。 - 日本証券会社の海外居住者向けサービスは限定的
さらに重要なのは、日本の証券会社は「海外居住者へのサービスが原則制限される」という点です。逆に言えば、シンガポールの証券会社の方が、グローバルな投資環境を前提とした設計になっているケースが多いので帰国後もシンガポール証券口座を維持できる場合、
・SGDのまま保有
・S-REITを継続
・米国株を外貨のまま運用
といった柔軟性が保てます。
日本の証券口座だけに集約すると、運用の自由度が下がる可能性がありますので注意が必要です。 - 売る前に「継続できるか」を確認する
本帰国のタイミングで、「どうせ日本では扱えないから売却しよう」と動いてしまうのは早計です。
まず確認すべきは、
✔ 今の証券会社は非居住者でも口座維持可能か
✔ 取引制限はあるか
✔ 日本から入出金は可能か
です。その上で、本当に売るべきなのか、継続保有すべきなのか、一部だけ整理するのかを判断すればよいでしょう。
株式やリートの移管は難しそう

日本帰国後もシンガポールで保有している銘柄への投資を継続したい場合、株式やリートを日本の証券口座へ移管できるか気になるところです。
しかし、調べてみると現状では簡単ではなさそうです。
帰国のタイミングで株価がどう動いているかはわかりませんが、一度売却して買い直す必要があるかもしれません。
移管が難しい理由
- 国外からの株式移管: 大手ネット証券を確認したところ、国内の証券口座間での株式移管は可能ですが、国外の証券口座からの移管は対象外となっています。ただ証券会社によってことなりますので、移管に関してはシンガポール側の証券会社に移管出庫、日本側の証券会社に移管入庫について確認をされてみてください。
- 日本の証券会社の取り扱い商品が少ない: すでに説明しましが、日本の証券会社の商品ライナップはシンガポールの証券会社に比べて限定的です。例えばシンガポールリートは日本の証券会社では基本的に取り扱いがありません。もし現在シンガポールリートを運用しており継続する場合はシンガポールで運用するしかありません。
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投資対象別の考えるポイント

それでは以上を踏まえて、投資対象別に日本に本帰国後にどうすればよい最適解をご紹介します。
1. アメリカ株・ETF
アメリカ株やアメリカETFは、シンガポールでは配当に30%の課税、売却益は非課税ですが、日本では約28.3%ほどかかります。確定申告で外国税額控除(アメリカ側の10%の課税控除)を申請することも可能ですが、いくらまでうけられるか人によって異なります。外国税額控除についてはこちらの記事にわかりやすい解説がのっています。
日本帰国後はNisaが使えるので、税金が20~30%もとられるのを避けるためにも、アメリカ株の運用はNisaをまず検討するべきでしょう。ただ無配株か配当利回りがとても低い銘柄であればすべて売却して日本で買い直さなくともシンガポールで継続運用も良いと思います。
- アメリカ株、特に配当がでる銘柄はNisaで非課税運用がベスト
2. シンガポールリート・株式
シンガポールリートや株は日本での取り扱いがないため、継続投資するにはシンガポールの証券口座での継続運用が必要です。
日本帰国後は売却時及び配当に20.315%が課税されます。年の一度の確定申告のために「年間取引報告書」を証券会社から入手しておきましょう。
あとは日本帰国後もシンガポールドルで今後も長期運用したいかというのもポイントです。
- シンガポールリート・株式など高配当投資を継続するならシンガポールで継続投資!
3. その他(貯蓄型保険など)
その他の投資対象として多いのが貯蓄型保険ですが、支払いが残っている場合はそのためのお金を口座に残しておくか、日本から送金することを考えておく必要があります。
もしくは例えばシンガポールリートで運用しておいて支払いタイミングで売却するという方法もあります。ただ値動きとの関係もあるので、直前というよりは支払いの少し前のタイミングでそれなりの価格のときに売るという格好がよいかもしれません。
円が今後も安くなる場合は日本からの送金をすると支払いが高くなるかもしれません。シンガポール側でSGDである程度の資産を回しておくのはリスクヘッジにもつながりますし、個人的にはとても有意義だと感じています。
- 貯蓄型保険など支払いが終わっていなければ支払い原資を考えておく
帰国前にやっておくこと

1. 銀行口座・証券口座のキープ
シンガポールを離れても銀行口座と証券口座は閉める必要はありません。
私は銀行口座を3つ使っているのですが、このような方帰国後の管理を簡素化するためにも帰国前に少し整理しておいてもよいかもしれません。
シンガポールの銀行や証券口座は日本のものに比べて、マルチ通貨での換算レートがよかったり、他国に移った際の使える点で使い勝手がよいので、よっぽどのことがない限りはキープしておいたほうがよいでしょう。
税金がからみますので、日本帰国後は必ず住所変更をしましょう。
- シンガポールの銀行口座、証券講座は便利なのでキープしておく。
2. 送金サービスの準備
銀行と証券の他に整えておきたいのが海外送金の環境です。
これは「Wise」というサービスがお得です。銀行で通常扱っている銀行間送金より数倍早くて安いです。セキュリティも万全なので使わない手はありません。
使い方は簡単ですが、シンガポールにいる間に一度少額で試しておくと安心です。
公式サイトから登録すれば10分程度で送金できます。
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まとめ

日本への本帰国後の資産運用を成功させるには、為替リスク、税金、投資対象などを総合的に検討することが大切です。
シンガポールでの投資環境を活用しつつ、日本の税制やNISAを上手に組み合わせて効率的に資産を増やしましょう。
また、帰国前に口座管理や送金サービスの準備を整えておくことで、スムーズな資産運用が可能になります。


コメント
はじめまして。
ワークパスの場合、株式の売買が多い(積立投資も含む)と、副業認定または仕事に支障のある活動として、ワークパスが剥奪される等の判例があるようです。
ツールを使用した場合(テクニカル分析なども含む)は、事業所得としてカウントされた場合は、ワークパスでは副業ができないため剥奪になるようです。
お手数ですが、こちらについて詳しく教えていただけますか。
よろしくお願いいたします。
こんにちは、コメントありがとうございます。
すみませんが、ワークパスの方の投資に関しては詳しくないためMOMに確認頂くのが良いかと思います。