ここではシンガポールの優良企業への投資は「あり」か「なし」か考えてみたいと思います。
私は現在シンガポール在住、シンガポールのリートとアメリカ株に投資をしています。
理由はシンガポールリートは配当が高く、価格が右肩上がりで推移しているため。アメリカ株はアメリカのグローバル企業のさらなる成長、新しいテック企業の躍進を期待しているからです。
今回一度投資対象として一度シンガポール企業を検討してみます。
私の投資実績はこちら
結論
先に結論ですが、
シンガポールには成績優秀な企業があるのですが、
個人的には投資対象としての魅力は限定的と考えます。
私は投資しません。
早速シンガポールの優良企業をみてみましょう。
シンガポールの優良企業
今回調べた企業は下記の通りです。
どの企業も高配当でシンガポールの重要な産業を担う規模の大きな企業ですので倒産リスクも低いと思い選びました。
ティカー | 企業名 | 配当 |
Z74 | Singtel | 6.48% |
MU7 | DBS | 4.62% |
C6L | Singapore Airline | 4.97% |
S63 | ST Engineering | 4.64% |
C52 | Comfort Del Gro | 6.8% |
BN4 | Keppel | 3.51% |
S68 | SGX | 3.11% |
Singtel
シンガポールの通信最大手。
2019年に上場以来の初赤字を出していますが、これはインドの出資先が国の法整備により追加徴収を求められたことが要因です。 Singtel海外展開も活発ですのでまだまだ伸び代はありそうです。
DBS
シンガポールの最大手銀行。デジタルバンキングやAiの活用などテクノロジーへの取り組みが近年報道されています。アジアで一番安全性の高い銀行に毎年選ばれている優良企業です。
Singapore Airline
シンガポールの航空会社。2018年までは世界の航空会社と比較しても収益性がよかったシンガポール航空ですが、近年業績が悪化している報道が目立ちます。貨物部門とボーイング機体が問題のようです。
ST Engineering
シンガポールの軍事エンジニアリング会社。シンガポールの軍事予算は約1兆円、GDP比で約3%、国家予算の約20%です。日本は約5兆円で、GDP1%ですので単純比較はできませんがシンガポールが軍事に力をいれているのは間違いないです。今後も安定的に成長期待できそうです。
Comfort DelGro
シンガポールのタクシー会社。Grabの出現で押され気味ですが、シンガポールトップクラス級の配当率です。実は自動車教習所も運営しています。
Keppel
海洋、インフラ、投資事業等をもった大手コングロマリットです。
原油の発掘装置リグの大手メーカーでもあります。シンガポールは海洋産業で栄えた国でもありこの筆頭がKeppelです。時価総額10億SGDの大企業です。
SGX
シンガポール証券取引所です。証券取引所自体が上場しており、この株を買うことができます。先日シンガポールの億万長者の株式投資家に会いましたが、彼は10数年前にSGXでかなり稼いだと言っていました。証券取引所としては小さくどちらかというと株よりデリバティブ取引所として有名です。
シンガポール優良企業の株価推移
こちらが各社の過去5年の株価推移です。
シンガポールのREITのAscendas(水色)とMapletree Logistics(紫)を比較のため入れています。5年でMapletree Logisticsが+40%, Ascendasが+6%の実績です。
これに比べ、今回ピックアップしたシンガポール優良企業の株価でプラスはSGX(黄緑)の+20%のみ。その他はマイナスです。
S63 ST Engineering (肌色)はコロナショックの影響をもろに受けているだけですので、長期的にはまだ有望かもしれません。
MU7 DBS(ピンク)もそこまで悪くないかもしれませんが、キャピタルゲインは期待できそうにありません。
その他の銘柄はなんとも煮えきらない、正直微妙な感じがします。
まとめ
シンガポールの優良企業は収益性もあったり、テクノロジーに敏感だったりと将来有望なのですが株価がパッとしません。どれも配当は高いのですが、株価が下がるのはいただけません。
理由はシンガポールの国の規模にもあるように思います。
シンガポールの人口は500万人、国土も東京都くらいの小さな国です。今回ご紹介した各企業も何もシンガポールの内需だけでビジネスを展開しているのでなく、海外に積極的に展開を図っていますが、それでもアメリカのグローバル企業のようにはいきません。
一方、リートは実物資産がありこれはアジアの経済が成長すれば不動産価値は上がると考えられます。不動産の活用方法はなんでも良くてアメリカやヨーロッパのグローバル企業が活躍してどんどん価値を高めてくれればいいのです。
これからはアジアの時代です。
アジアの企業がどこまで躍進するかはわかりませんが、アジアの不動産は今後も価値が上がると考えます。シンガポールにおいては今のところ、ビジネスモデルより現物資産価値の方が投資対象としては旨味がありそうです。
ということで、私は今後もシンガポールREITとアメリカ株へ投資を続け、シンガポールの個別株はスルーしようと思います。
*ちなみに私は長期投資家なので本記事は全て長期投資の観点から書いておりますのでその点ご了承願います。
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