ここでは2023年10月に実施した、シンガポールの大手証券会社「フィリップ証券」へのインタビュー記事を掲載していきます。
フィリップ証券はシンガポールの老舗証券会社、金融大国シンガポールの証券マーケットのメインプレイヤーです。
今回はシンガポール在住のサラリーマン投資家が、そんな世界金融のプロに直撃!
おすすめの投資銘柄や投資法について具体的に教えていただきました。
アナリストのおすすめ銘柄や外資系証券マンが投資にあたりどんなところを気にしているのか、非常に有益な話が聞けましたので、現在投資をしている方、これから投資を検討している人は是非チェックしてみください。
シンガポールと東京二拠点サラリーマン投資家。運用額4,000万円、年間受取配当70万円。
2018年配当の存在すら知らない状況から投資スタート。その後、投資の重要性を知り備忘録としてブログにて発信開始、最高月間4万PV。
2021年Youtube開始、2022年に「シンガポールでのお金の増やし方」を出版(レビュー★4.5)。
シンガポールの日系最大級メディアSingalifeにて継続的に投資セミナーに登壇中。
フィリップ証券
フィリップ証券は1972年シンガポール創業の老舗証券会社です。
全世界100万人以上の顧客を抱え、預かり資産額はUSD 350億以上(約5兆円以上)。多くのシンガポーリアンがフィリップ証券の口座を持っている印象です。
1996 年にシンガポールではじめて個人投資家にオンライン取引 (POEMS) を提供し、2003 年に差金決済取引を初めて導入するなど革新的な会社として知られています。
総じて非常に信頼度の高い証券会社です。
今回はジャパンデスクの佐々木さんに5つの質問に答えていただきました。
Q1:フィリップ証券の口座を持っているシンガポール人、日本人に人気の商品はどういった商品でしょうか?
佐々木:
お客様全体の投資先を国別で見てみると、アメリカとシンガポールでの投資割合が大半を占めています。
現在はどちらの国も金利が上がっているので、利回りが上昇しているマネーマーケット・ファンドや社債は人気があります。(マネーマーケット・ファンド(MMF)=リスクのない金融商品で運用しているファンドで証券口座にお金を入れていると自動的にMMFで運用することになる)
株式市場では優良銘柄の人気が根強いです。
特に今年はアメリカでの銀行破綻が大きな話題となりましたが、シンガポールの三大銀行にとっては追い風となりました。金利が大幅に変動する中でも収益を生み出すビジネスモデルと世界トップクラスの格付けが評価されました。
金利が上がっている現状を考えるとMMF,債権に人気が出ている納得
Q2: 現在のアナリストのおすすめ(注目)銘柄を教えてください!
佐々木:
Phillip Researchが現在推奨する銀行株はOCBC bankです。
配当利回りは5.5%で直近一年の目標価格は14.94ドル、+16%のアップサイトを見込んでいます。
REITではCapitaLand Ascott Trustで配当利回り5.3%、目標価格は1.26ドル、+36%のアップサイドです。コロナが落ち着いて、自由に海外旅行に行けるようになったので、REITが有する不動産の利用率が回復したことが背景にあります。
このような個別銘柄の目標価格やバランスシートは、当社のプラットフォームでご覧いただけます!
リートのアップサイドがすごいですね。リートは全体的に停滞気味ですが今後の値動きに期待。アナリストの推奨銘柄チェックできるのは参考になりますね!
日本人投資家に人気なのは、アメリカのNASDAQに上場しているETF、Vanguard S&P500 ETF(VOO)です。過去10年の年平均リターンは12%を超えているので、特に積立投資をやられている人にはとても人気があります。
米国株の配当税30%が発生してしまう観点から、配当無しの銘柄も人気があります。
世界的に有名な投資家、ウォーレンバフェットが率いるBerkshire Hathaway(BRK)の株式は、Class AとClass B共に過去10年の年平均リターンは11%を超えているので、ポートフォリオの1つに加えている銘柄として非常に人気があります。
確かにシンガポールからアメリカ株への投資は配当にかかる税金がネック。BRKに投資して回避する手はありますね!
Q3:初心者にもおすすめな投資法を教えてください!
佐々木:
お仕事で忙しい人は、先ほど紹介したようなVOOやBRKを自動積立しています。
当社のプラットフォームでは買付したい金額と頻度を設定して、好きな銘柄を自動的に買付できるので、価格変動のリスク分散に役立つと思います。
日本語デスクではお客様の資産形成のサポートすることがミッションなので、株価が大幅に下落した時に一気にポジションを取るような取引はおススメしていません。
個別株やETFは資産形成に役立つ一方で、価格変動リスクが存在します。ぽちゃさんのYouTubeチャンネルで”金利と株価の関係”について解説されていますが、私も金利の変動は株価に一番大きな影響を及えると考えています。
ドルコスト平均法の積立は誰でも実践できる身近な投資方法ですが、金利が高水準の時はS&P500が下落しがちなので、買付する金額を少し増やしてみるなど、運用するときに政策金利の動向を意識するだけでも大きな差を生み出す事ができると思います。
自動積立投資は確かに誰でも実践できる投資法ですね!
金利を意識した購入ができるとさらにパフォーマンスもでそう!
Q4: 今相場が不安定ですが、新しく投資を始める人にとって、投資を始めるにはタイミングとしてはいかがでしょうか?
佐々木:
相場が不安定な理由として、アメリカの政策金利が5.5%と歴史的な高水準が維持されていて、いつ下がるか分からない点が一番の理由だと思います。
来年末にはアメリカの大統領選挙がありますが、2024年11月時点で政策金利は4.5%までしか下がらないというのが、現時点での大半の見方になります。
政策金利が下がれば、株式市場へのマネーサプライは増える方向性ですが、企業体力の低下など悪材料が今後出てくる可能性があります。
これからアメリカのテック株に投資しようと考えている方は、一度に纏まった金額を買付するのではなく、タイミングを分散して慎重に買いポジションを作るタイミングだと思います。
一方で、これからS&P500のようなETFを積み立てするのであれば、買い付け金額を多少増やしても良いタイミングです。株価が90日移動平均線以下の場合は1割増し、200日移動平均線以下の時は2割増しで買付するようなイメージで持続可能なプランで運用していきましょう。
一度に買わずに分散投資を心がける。今は株にとっては逆風ですので少し多めに買い付けするのもありですね!
Q5: 今後のセミナー等について
佐々木:
現在ぽちゃさんを含むシンガポール、タイ、マレーシアに在住するYouTuberさんとのウェビナーを2ヶ月に1度開催しています。海外投資における様々なテーマを取り扱っていますので、是非ご参加ください。
次回は来年になりますが日程が決まりましたら、ぽちゃさんからの告知があった際は是非お見逃しのないようにお願いします!
過去のセミナーの切り抜き動画もYoutubeにアップしてますので、是非チェックしてみてください!
まとめ
今回はシンガポールの大手証券フィリップ証券の佐々木さんにおすすめ銘柄や投資法について具体的にお話しいただきました。
私も納得感のある内容で非常に勉強になりました。
今回の内容が少しでもこれから投資を考えている人の参考になれば嬉しいです。
フィリップ証券はシンガポールで唯一の日本語対応のある証券会社でサービスレベルも高く、手数料も安めなので、これから証券口座の開設を検討されている方はチェックしてみてください。
シンガポールの証券口座のおすすめについては「【シンガポール在住者向け】おすすめ!シンガポールの証券口座5選、各社比較」も参照ください。手数料の細かな比較等を行っています。
コメント