ここではシンガポール在住者向けにシンガポールリートの選び方について解説していきます。
本記事を読むことでシンガポールリートの具体的な選び方、注意すべきポイントが理解できます。
私は実際にシンガポールにきてからシンガポールリートに8年以上投資し継続的に利益を出してきました。その中で学んだこと、失敗したことも踏まえて重要なポイントだけを絞ってお伝えします。
これから
最近シンガポール在住になった方
シンガポールリートの投資しに興味がある方
すでにシンガポールリートに投資しているけどこれでいいのかな?と考えている方
は是非本記事の内容を参考にしてみてください。

シンガポールと東京二拠点サラリーマン投資家。運用額4,500万円、年間受取配当70万円。
2018年配当の存在すら知らない状況から投資スタート。その後、投資の重要性を知り備忘録としてブログにて発信開始、最高月間4万PV。
2021年Youtube開始、2022年に「シンガポールでのお金の増やし方」を出版(レビュー★4.5)。
シンガポールの日系最大級メディアSingalifeにて継続的に投資セミナーに登壇中。
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そもそもシンガポールREIT(S-REIT)とは?

まずはシンガポールREITについておさらいです。
シンガポールREITとは、シンガポール証券取引所(SGX)に上場している不動産投資信託のことです。
REITは、投資家から集めた資金で不動産を購入し、そこから得られる賃料収入を分配金として投資家に還元します。(利益の90%以上を分配金として分配しなくてはならないというルールがあります)
株との大きな違い
- 株:企業の成長(売上・利益拡大)に期待する
- REIT:不動産から生まれる安定収入(家賃)を分配してもらう
つまり、REIT投資では「どれだけ成長するか」というよりも「どれだけ安定して稼ぎ続けられるか」が重要になります。
シンガポールREITの特徴
- 分配金利回りが比較的高い(5〜7%前後)
- 税制・制度が整っており透明性が高い
- 物流・データセンター・ヘルスケアなど多様な不動産に投資できる
- 海外不動産(日本・米国・欧州など)を保有するREITも多い
このような特徴から、シンガポールリートは長期で安定したインカム収入を狙う投資家に向いた商品と言えます。ただし、「安定していそう」というイメージだけで選ぶと、REITごとの差やリスクが見えなくなります。
また、数あるREITから投資銘柄を選ぶ時に何をどう選んで良いのか迷うことになります。
そこで重要になるのが、次から解説する7つの判断基準です。
① カテゴリーと物件ポートフォリオの確認【重要】

シンガポールREITを選ぶうえで、最初に確認すべきなのは「何の不動産で稼いでいるか」です。
REITは株と違い、ビジネスモデルが非常にシンプルなので、物件の性質=収益の性質と考えて問題ありません。
REIT投資で不安が生まれる最大の原因は、「なぜこの値動きになったのか分からない」ことです。その理由の多くは、物件カテゴリーの理解不足にあります。たとえば物流REITが金利上昇局面でも比較的底堅いのは、長期契約が多く賃料がすぐに動かないからです。逆にホテルREITが景気ニュースに敏感なのは、宿泊需要が即座に数字に反映されるからです。
自分がどんな不動産に投資していて、その不動産はどんな特徴があるのか。
値動きの理由を事前に想像できるかどうかが、安心して保有できるかを分けます。
主なカテゴリーと特徴・代表的REIT
| カテゴリー | 特徴 | 代表的なREIT |
|---|---|---|
| 物流 | 長期契約が多く安定。EC成長の追い風 | Mapletree Logistics Trust |
| オフィス | 景気影響あり。立地が重要 | CapitaLand Integrated Commercial Trust |
| 商業施設 | 消費動向に左右されやすい | Frasers Centrepoint Trust |
| ホテル | 観光依存・値動き大 | CDL Hospitality Trust |
| データセンター | AI・クラウド需要の追い風 | Keppel DC REIT |
| ヘルスケア | 高齢化テーマで安定 | Parkway Life REIT |
※REITによっては、複数カテゴリーを組み合わせたポートフォリオを持つ場合もあります。
また、地域分散も重要な視点です。
- シンガポール国内中心
- アジア太平洋中心
- 欧米含むグローバル分散
理論的には分散が効いている方がリスクは下がりますが、シンガポール在住者にとっては「肌感が分かるシンガポール不動産主体のREIT」は、理解しやすく、納得感を持って長期保有しやすいというメリットがあるので個人的にはおすすめです。
② 時価総額|安心して持てる規模か

時価総額は、REITの安定性・流動性・市場からの信頼度をまとめて表す指標です。
時価総額は地味な数字ですが、長期投資では“効いてくる指標”です。規模の小さいREITは、悪材料が出たときに売りが集中しやすく、価格が必要以上に動きがちです。
一方で、一定以上の規模があるREITは、機関投資家や長期保有者が多く、相場が荒れても「簡単には投げられない」構造になっています。値動きの荒さ=精神的な負担でもあるため、初心者ほど規模は重視すべきです。
目安
- 20〜30億SGD以上:安心して保有しやすい
- 10億SGD未満:値動きが荒くなりやすい
規模が大きいREITほど、
- 売買がしやすい
- 機関投資家が入りやすい
- 増資時の影響が比較的小さい
傾向があります。
時価総額は以下のサイトで簡単に確認できます。
https://www.reitas.sg/singapore-reits/s-reit-sectors/
ここでは「優劣を決める指標」というより、「安心して持てる最低ラインを確認する指標」として使うのが実践的です。
③ 物件利回りと配当利回りの違いを理解する【超重要】

シンガポールREIT投資の“旨み”は、何と言っても配当です。
そのため配当利回りに目が行くのは自然です。
ただし、配当と同じか、それ以上に重要なのが「物件利回り」です。
配当利回りはREITを保有している保有者に支払い「結果」であり、物件利回りは「原因」。結果だけを見て判断すると、なぜその配当が出ているのかが分からず、相場が変わったときに不安になります。
物件利回りを見ることで、そのREITが無理をしていないか、将来も同じ水準の分配を続けられそうかが見えてきます。購入の際には物件利回りまで丁寧に確認していきましょう。
物件利回りとは?
物件利回り = NOI(純賃料収入) ÷ 不動産価値
NOIとは、賃料収入から管理費・維持費を引いたもの(金融費用前)です。
これは、
- その不動産がどれだけ効率よくお金を生んでいるか
- REITの本業の稼ぐ力
を示します。
目安
- 5〜6%以上:良好
- 5%未満:割高取得の可能性あり
物件利回りは短期では大きく変わらず、ごまかしにくいため、プロ投資家が最重視する指標です。
配当利回りとは?
配当利回り = 年間分配金 ÷ REITの株価
これは、
- 今の価格で買ったときの見かけ利回り
- 投資家が受け取る「結果」
を表します。
目安
- 5〜7%:標準的で健全
- 8%以上:理由を必ず確認
配当利回りは、
- 株価下落
- 増資
- 金利不安
などで市場の影響などで簡単に高く見えるため、数字だけで判断すると危険です。
→ 物件利回りが普通なのに、配当利回りだけ高いREITは疑う
これが最重要ルールです。
数値は以下で簡単に確認できます。
https://sreit.fifthperson.com/
④ ギアリング比率(借入比率)|安全性の要

ギアリング比率とは、不動産取得にどれだけ借金を使っているかを示します。
REITは借入を前提に成り立つ商品ですので、「借りていること」自体が悪いわけではありません。ただ問題になるのは、金利が上がったときに耐えられるかです。
借入が多いREITほど、金利上昇の影響が分配金に直撃します。ギアリング比率を見ることで、そのREITが「攻めているのか」「守りを重視しているのか」が分かります。
目安
- 40%以下:比較的安全
- 45%以上:注意
なぜ重要かというと、
金利が上がると利息負担が増え、分配金が削られるからです。
REITは借入を前提とした商品なので、
- 借りすぎていないか
- 金利上昇に耐えられるか
を確認することが、
減配リスクを避ける最大のポイントになります。
⑤ テナントの質と契約期間(WALE)

REITの収益源は家賃です。
つまり、「誰が、あと何年家賃を払ってくれるのか」が分配金の安定性を左右します。
どれだけ立派な不動産でも、テナントがすぐに入れ替わるようでは収益は安定しません。
WALEは「このREITの収益が、どれくらい先まで見えているか」を教えてくれる指標です。短いWALEはチャンスでもありますが、それは市況を読める上級者向け。初心者は、先が見えているREITを選ぶ方が安心です。
WALEとは?
WALE(Weighted Average Lease Expiry)とは、
賃料で重み付けした平均契約残存期間です。
感覚的には、
「このREITの家賃収入は、平均するとあと何年約束されているか」。
目安
- 3年以上:安定
- 5年以上:非常に安定
必ず WALE by Income(賃料ベース) を確認します。
確認方法
- REIT公式サイト
- Annual Report / Investor Presentation
また、WALEは
テナントの信用力(政府・大企業など)とセットで確認することが重要です。
⑥ スポンサー(運営母体)の強さ

REITは「不動産を入れる箱(器)」です。その箱に何を入れるかを決めているのがスポンサー(親会社)です。
REIT単体を見ているだけでは、その将来像は見えません。重要なのは、そのREITを育てているスポンサーがどれだけ本気か、どれだけ不動産を持っているかです。
強いスポンサーを持つREITは、好況時だけでなく不況時にも選択肢があります。「困ったときに誰が助けるのか」を想像すると、スポンサーの重要性がよく分かります。
代表的なスポンサーとREIT
| スポンサー | 主なREIT |
|---|---|
| CapitaLand | CICT、CAR |
| Mapletree | MLT、MIT |
| Keppel | Keppel DC REIT |
スポンサーの力をみるには例えば総資産規模(AUM)、不動産開発・運営の年数、運営REITの数などが挙げられます。
⑦ 過去の値動き|理由を説明できるか

銘柄選定で過去の値動きは気になるポイントだと思います。
ただ値動きを確認する時は「上がった・下がった」だけで、売買タイミングを測るためだけではなく、どちらかというと「市場からどう扱われてきたか」を見るためのものです。
同じような局面でも、REITによって下がり方は異なります。
相場全体が悪い中でも比較的踏ん張っているREITは、長期投資家から信頼されている可能性が高いと言えます。
見るべき視点
- 同じカテゴリーのREITと比べてどうか
- 金利・世界情勢など理由が説明できるか
- 市場全体が厳しい中でも相対的に耐えているか
たとえば
- 金利上昇で全REITが下落
→ 個別REITの問題ではない - 特定REITだけ大きく下落
→ 何か固有リスクがある可能性
理由が説明できる値動きかどうかが重要です。
補助指標(余裕があれば)
その他、以下のようなポイントも補助的な指標として考えられます。
売上と利益
REITの売上は賃料収入です。
重要なのは成長より 安定しているか。
派手な増減より、崩れていないかを確認します。
売上と利益はyahoo financeなどで簡単に過去数年分のデータが確認できます。
https://finance.yahoo.com/
PBR
PBRは株式投資で用いられる指標で銘柄が割安かの判断の参考になります。
1以上と以下で今のアセットを考えた時にその銘柄が割安かの示唆を得られます。
- PBR < 1
→ 割安に見えるが
→ 不動産評価が古いだけの可能性も - PBR > 1.2
→ 成長期待 or 過熱
ただ単独で使わず、利回りや物件の質とセットで見るのが基本です。
まとめ|初心者がまず守るべきシンガポールリートの選び方

シンガポールリートの選び方で最も大切なのは、高い利回りを探すことではなく、安定して持ち続けられるかを見極めることです。
そのためには、まず「どんな不動産で稼いでいるか」を理解し、次に規模・借入・テナント・契約期間といった分配金の土台となる要素を一つずつ確認します。
配当利回りは重要ですが、それ以上に「物件利回り」「WALE」「スポンサー」といった
中身の安定性を見ないと、一時的に高配当に見えるREITを掴んでしまいます。
7つのポイントを順番にチェックするだけで、初心者でも「大外し」を避けることは十分可能です。
是非今回の内容を参考にシンガポールでの資産運用をされてみてください。
| 項目 | 何を見る? | 目安・判断基準 | 補足の考え方 |
|---|---|---|---|
| ① カテゴリー・物件 | どんな不動産で稼いでいるか | 物流・ヘルスケアなど安定型 | 値動きの理由を説明できるかが重要 |
| ② 時価総額 | 規模・流動性 | 20〜30億SGD以上 | 小さすぎるREITは値動きが荒れやすい |
| ③ 物件利回り | 本業の稼ぐ力 | 5〜6%以上 | 配当より優先して確認 |
| ③ 配当利回り | 投資家の受取利回り | 5〜7%が健全 | 8%以上は理由を必ず確認 |
| ④ ギアリング比率 | 借入の多さ | 40%以下が安全圏 | 金利上昇時の耐性を見る |
| ⑤ WALE | 家賃収入の見通し | 3年以上(理想は5年以上) | 必ず「by Income」で確認 |
| ⑤ テナントの質 | 誰が借りているか | 政府・大企業が多い | WALEとセットで評価 |
| ⑥ スポンサー | 親会社の強さ | 大手デベロッパー | 物件供給力・支援力を見る |
| ⑦ 値動き | 過去の評価 | 同業比で耐えているか | 上下より「理由が説明できるか」 |



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