シンガポールで資産運用を始めるとき、最初に検討する投資先のひとつがシンガポールリート(S-REIT)です。
世界的に見ても高い配当利回りを維持しており、2025年現在でも平均5〜7%の安定した利回りが期待できます。配当好きの方には外せない選択肢です。
さらに、配当が非課税で受け取れるのはシンガポール在住者ならではの特権。円安が続く今、シンガポールドル建てでのキャッシュフローは、日本在住者には得られないメリットといえます。
2022〜2023年の金利上昇局面では一時的に価格が下落しましたが、2024年後半からは利下げ期待もあり、優良リートを中心に回復傾向が続いています。天災リスクの少なさや政治の安定性などからも、S-REITは依然として「長期投資向きの資産」として注目されています。
ただし、現在SGXに上場するリートは38銘柄。すべてが安心して投資できるわけではなく、金利耐性やポートフォリオの強さは銘柄ごとに大きく異なります。
そこで本記事では、実際にシンガポールリートに500万円ほどを運用し、毎年SGD2,000ほどの配当を受け取ってきた経験をもとに、2026年を見越して「買う価値がある」と判断したおすすめのシンガポールリート5選をわかりやすく紹介します。私の運用成績はこちら。
初めてS-REITに投資する方にも、すでに保有している方にも参考になる内容にまとめましたので、ぜひ続きを読み進めてみてください。

シンガポールと東京二拠点サラリーマン投資家。運用額4,500万円、年間受取配当70万円。
2018年配当の存在すら知らない状況から投資スタート。その後、投資の重要性を知り備忘録としてブログにて発信開始、最高月間4万PV。
2021年Youtube開始、2022年に「シンガポールでのお金の増やし方」を出版(レビュー★4.5)。
シンガポールの日系最大級メディアSingalifeにて継続的に投資セミナーに登壇中。
シンガポールリートの一覧

まず、こちらがシンガポールリート(S-REIT)の最新一覧です。
2025年現在、SGXには合計38銘柄が上場しています。
最新情報はhttps://www.reitas.sg/singapore-reits/s-reit-sectors/ や https://www.reitsweek.com/singapore-reitsで確認できます。
| Name | Ticker | Investment Countries | Distribution Yield (%) | Price to Book | DPU | NAV | Gearing Ratio (%) |
| AIMS APAC REIT | O5RU | シンガポール/オーストラリア | 6.58 | 1.19 | 0.096 | 1.23 | 47 |
| Acrophyte Hospitality Trust (USD) | XZL | 米国(選択型ホテル) | 6.82 | 0.36 | 0.0177 | 0.73 | 41.4 |
| BHG Retail REIT | BMGU | 中国(ショッピングモール) | 1.14 | 0.61 | 0.005 | 0.72 | 39.6 |
| CapitaLand Ascendas REIT | A17U | シンガポール/オーストラリア/米国/英国・欧州 | 5.41 | 1.24 | 0.1521 | 2.27 | 37.7 |
| CapitaLand Ascott Trust | HMN | アジア太平洋/欧州/米国など世界各国(宿泊施設) | 6.46 | 0.82 | 0.061 | 1.15 | 40.5 |
| CapitaLand China Trust | AU8U | 中国 | 7.15 | 0.71 | 0.0565 | 1.12 | 41.9 |
| CapitaLand Integrated Commercial Trust | C38U | シンガポール中心(一部欧州・豪州) | 4.63 | 1.11 | 0.1088 | 2.12 | 38.5 |
| Centurion Accommodation REIT | 8C8U | シンガポール/英国/オーストラリア | 5.71 | 1.37 | 0.0657 | 0.837 | 20.7 |
| CDL Hospitality Trust | J85 | シンガポール/日本/英国/オーストラリアなど | 6.37 | 0.58 | 0.0532 | 1.45 | 40.7 |
| Daiwa House Logistics Trust | DHLU | 日本中心(⼀部ベトナム) | 8.4 | 0.83 | 0.0479 | 0.69 | 38.5 |
| Digital Core REIT (USD) | DCRU | 米国/カナダ/ドイツ/日本(データセンター) | 7.13 | 0.64 | 0.036 | 0.79 | 34 |
| EC World REIT | BWCU | 中国(物流・EC関連) | 6.97 | 7 | 0.0195 | 0.04 | 56.5 |
| Elite UK REIT (GBP) | MXNU | 英国(政府系オフィス中心) | 7.97 | 0.88 | 0.0287 | 0.41 | 42.5 |
| ESR REIT | 9A4U | シンガポール中心(インダストリアル) | 7.65 | 1.01 | 0.2119 | 2.75 | 44.3 |
| Far East Hospitality Trust | Q5T | シンガポール(ホテル・サービスレジデンス) | 6.68 | 0.67 | 0.0404 | 0.906 | 30.8 |
| First REIT | AW9U | インドネシア/シンガポール/日本(ヘルスケア) | 8.74 | 0.94 | 0.0236 | 0.286 | 42 |
| Frasers Centrepoint Trust | J69U | シンガポール(郊外型商業施設) | 5.31 | 1.02 | 0.1211 | 2.23 | 39.6 |
| Frasers Logistics & Commercial Trust | BUOU | オーストラリア/欧州/シンガポール | 6.07 | 0.89 | 0.0595 | 1.1 | 35.7 |
| IREIT Global | UD1U | 欧州(主にドイツ・スペインなど) | 14.83 | 0.49 | 0.0286 | 0.587 | 37.6 |
| Keppel DC REIT | AJBU | 欧州/シンガポール/アジア太平洋(データセンター) | 4.09 | 1.51 | 0.0945 | 1.53 | 31.5 |
| Keppel Pacific Oak US REIT (USD) | CMOU | 米国(オフィス) | 0 | 0.35 | 0 | 0.69 | 43.7 |
| Keppel REIT | K71U | シンガポール/オーストラリア(オフィス) | 5.28 | 0.83 | 0.056 | 1.27 | 41.2 |
| Lendlease Global Commercial REIT | JYEU | シンガポール/イタリア | 5.81 | 0.83 | 0.036 | 0.75 | 50.2 |
| Lippo Malls Indonesia Retail Trust | D5IU | インドネシア(ショッピングモール) | 0 | 0.24 | 0 | 0.058 | 60.3 |
| Manulife US REIT (USD) | BTOU | 米国(オフィス) | 0 | 0.33 | 0 | 0.23 | 60.9 |
| Mapletree Industrial Trust | ME8U | シンガポール/北米(データセンター含む工業用不動産) | 6.59 | 1.2 | 0.1357 | 1.71 | 40.6 |
| Mapletree Logistics Trust | M44U | アジア太平洋(シンガポール、中国、日本、豪州など) | 5.7 | 1.01 | 0.0752 | 1.31 | 44.4 |
| Mapletree Pan Asia Commercial Trust | N2IU | シンガポール/香港/中国/日本/韓国 | 5.49 | 0.82 | 0.0802 | 1.78 | 38.8 |
| NTT DC REIT (USD) | NTDU | 米国/オーストリア/シンガポール(データセンター) | 7.81 | 1.01 | 0.075 | 0.95 | 35 |
| OUE REIT | TS0U | シンガポール(商業・オフィス・ホテル) | 5.89 | 0.6 | 0.0206 | 0.58 | 39.9 |
| Parkway Life REIT | C2PU | 日本/シンガポール/マレーシア(ヘルスケア) | 3.68 | 1.68 | 0.1492 | 2.41 | 34.8 |
| Prime US REIT (USD) | OXMU | 米国(オフィス) | 1.41 | 0.37 | 0.0029 | 0.55 | 46.7 |
| Alpha Integrated REIT | M1GU | シンガポール中心(工業・ロジスティクス等) | 5.96 | 0.96 | 0.0286 | 0.5 | 37.4 |
| Sasseur REIT | CRPU | 中国(アウトレットモール) | 8.94 | 0.82 | 0.0608 | 0.83 | 24.8 |
| Starhill Global REIT | P40U | シンガポール/マレーシア/オーストラリア | 6.35 | 0.81 | 0.0365 | 0.71 | 39.3 |
| Stoneweg Europe Stapled Trust (EUR) | SET | 欧州(主に西欧の物流・ライトインダストリアル) | 9.22 | 0.75 | 0.1411 | 2.03 | 43.6 |
| Suntec REIT | T82U | シンガポール/オーストラリア(オフィス・商業施設) | 4.52 | 0.67 | 0.0619 | 2.046 | 42.4 |
| United Hampshire US REIT (USD) | ODBU | 米国(スーパーマーケット・倉庫型小売など) | 7.96 | 0.68 | 0.0406 | 0.75 | 38.9 |
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おすすめシンガポールリートの選定基準

シンガポールリート全38銘から5つのおすすめ銘柄を選定するにあたり、以下の6点を基準に選定しています。
- 配当利回り:4%以上
- Gearing(レバレッジ):45%以下(ギアリング比率が高いと金利影響や資金繰りにリスクあり)
- PBRやNAV:0.7以上 (0.7以下は市場や時価と比べて価値が低い)
- 過去1年、5年のリターン
- コンセンサスターゲット価格に対して上昇余地(Upside)があるか
- 時価総額と流動性(取引がスムーズにできるために重要)
しっかりリターンを得られるため配当利回りと値動き、市場評価をみる指標としてPBRやNAV、金利影響や資金繰りのリスクを確認するためギアリング比率を定量的に確認。
今後のアップサイドが見込めるかどうかついてはアナリストのレポート、及び信頼できるソースのネット情報を確認し定性的に判断しています。
参考サイト:
https://www.reitas.sg/
https://growbeansprout.com/
https://sbr.com.sg/
https://www.reitsweek.com/
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2026年シンガポールリートおすすめ5選

それではここからおすすめのリートを5つ紹介します。
シンガポール在住者、もしくはシンガポールの証券会社の口座をお持ちの人であれば購入可能です。日本在住で口座も日本のみの方は残念ながら購入できませんのであしからず。
1.C38U. CICT(CapitaLand Integrated Commercial Trust)|絶対的コア

■ 概要
CICT はシンガポール最大級の商業・オフィス複合型REIT。
Raffles City、Plaza Singapura などシンガポール中心地の一等地資産を多数保有し、
スポンサーはアジア最大規模の不動産企業 CapitaLand。
- 配当利回り:4.5〜5%
- 稼働率:97〜99%
- 1年リターン:堅調
- PBR:1倍前後
- ギアリング:約38%
- 流動性◎
- DPU成長ストーリー:DBSなどのレポートは今後数年でDPU年率3%程度の成長を見込んでおり、金利ピークアウト後はキャピタルと配当の両面でリターンを狙えると評価。DBS Bank
■ 選定理由
- 過去の値動きが顕著、値動きが安定している
- 立地の強さ × 資産の質 × テナントの安定性 → 分配が極めて安定
- 景気回復・観光回復で賃料上昇が見込める
- 最も流動性が高く、長期保有の“土台”として最適
結論
今回選定ポイントを高いレベルで満たしており人気の高い王道シンガポールREIT。REIT投資を組むなら「まずはCICT」。最もコアに置きやすい万能型。
2. AJBU Keppel DC REIT|AI・クラウド時代の長期グロース

■ 概要
世界でも珍しい データセンター特化型REIT。
シンガポール、欧州、アジアにまたがる複数拠点を保有。
- 配当利回り:4.0〜4.5%
- ギアリング:約30%(非常に健全)
- 稼働率・契約期間とも長期安定型
- PBRは1.4〜1.5倍とプレミアムだが“成長株REIT”として妥当
■ 選定理由
- AIサーバー・クラウド需要が爆発 → データセンターは長期成長産業
- 契約期間が長く、収益の揺れが非常に少ない
- 金利低下局面ではプレミアムREITが最もパフォーマンスを上げやすい
- ギアリングの低さが強みで、将来の追加拡張も可能
結論
5〜10年で強烈な成長が期待できる唯一の“明確なグロースREIT”。
高利回り×成長性×分散度のバランスがよく、「インダストリアル・データセンターの王道枠」として5年保有の中核候補になります。
3. M44U Mapletree Logistics Trust|金利低下の恩恵 × ロジ構造成長

■ 概要
アジア最大級の物流REIT。eコマース・サプライチェーン再編・在庫分散ニーズから物流施設需要は長期的に堅調。シンガポール・中国・日本・豪州など広域に物流施設を保有。分散したポートフォリオを持ち、リスク分散が効いている。
- 配当利回り:5.4〜6%
- PBR:1倍前後
- ギアリング:約41%
- 稼働率:96〜98%
■ 選定理由
- eコマース需要、在庫戦略の変化、APAC物流拡大 → 長期的な構造成長が確実
- 過去5年は金利上昇で売られたが、業績自体は崩れていない(むしろ堅調)
→ 金利が下がれば最も反転しやすい - 資産クオリティが高く、地域分散が効いている
- 過度に割安で放置されており、リカバリー余地が大きい
結論
キャピタルゲイン狙いならロジ最有力。
配当・キャピタルゲイン・流動性・NAV水準・Gearingすべてがバランス良く、
「5年先を見据えたロジ・インフラ押さえの1本」
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4. J69U.FCT(Frasers Centrepoint Trust)|安定性の柱

■ 概要
FCT は 郊外型ショッピングモールに特化したREIT。
Northpoint、Causeway Point、Waterway Point など、
シンガポールの生活導線の中心に位置する大型モールを複数保有。
- 配当利回り:5.3〜5.5%
- PBR:1倍前後
- 稼働率:98〜99%(非常に高い)
- テナントは生活必需サービスが中心
■ 選定理由
- 郊外リテールは景気に最も強いセクター
- DPU(配当)が長期で非常に安定(ほぼ落ちない)
- シンガポール人口増の恩恵を直に受ける
- 銘柄全体の値動きが低ボラティリティで、長期保有向き
結論
生活導線の中心にある郊外型モールを保有し、景気に左右されにくく配当が極めて安定。配当の安定感で選ぶなら FCT。確実性の高いディフェンシブ銘柄。
5. A17U.CLAR(CapitaLand Ascendas REIT)|景気循環とハイテクの橋渡し

■ 概要
CLAR はインダストリアルREITの代表格。
ビジネスパーク、ハイテク工業、ロジスティクス、研究開発拠点などを幅広く保有。景気サイクルの異なるテナントが混在し、安定性が高い。
- 配当利回り:5.4%前後
- PBR:1.2〜1.3倍
- ギアリング:37%前後
- 賃料リバージョンは長期でプラス傾向
■ 選定理由
- IT・製造・R&Dなど、景気サイクルが異なるテナントが混在 → 収益が安定
- AI・クラウド・次世代製造の成長と連動する“中期グロースREIT”
- 金利低下で恩恵を大きく受けるセクターのため、これからの5年で伸びやすい
- 分散された巨大ポートフォリオで倒れるリスクが極めて低い
結論
高利回り×成長性×分散度のバランスがよく、「インダストリアル・データセンターの王道枠」として5年保有の中核候補。ハイテク×インダストリアルの“バランス型成長”を狙うなら A17U。
シンガポールリートおすすめ5銘柄比較
今回ピックアップした5銘柄の2024/12~2025/12の価格推移が以下のグラフのとおりです。
過去1年のパフォーマンスを見る限り全てプラス、C39Uが頭一つ抜けてパフォーマンスが高く、それ以外はプラス4〜8%ほど、一番低いのがM44Uで+3.1%ほどです。

| 銘柄 | 過去実績 | 今後の成長性 | 安定性 | 割安度 | 総合評価 | 役割 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| CICT(C38U) | ◎ | ◯ | ◎ | ◯ | ◎ 総合1位 | 中核・安定 | 最も着実でリスクが低い王道REIT |
| FCT(J69U) | ◯ | ▽ | ◎ | ◯ | ◯ | 安定の柱 | 郊外型モールで生活密着、景気に最強 |
| A17U(CLAR) | △ | ◎ | ◯ | ◯ | ◯ | バランス成長 | テック×製造産業に強く中期成長が期待 |
| M44U(MLT) | × | ◎ | ◯ | ◎ | ◯(反転狙い) | リカバリー | 金利低下+物流構造成長で反発余地大 |
| AJBU(Keppel DC) | △ | ◎ | ◎ | △ | ◯(グロース枠) | グロース | AI・クラウド需要に乗る長期テーマ株 |
今回選定したおすすめ5銘柄は、単体での投資もよいですがそれぞれに分散投資をすることで「配当の安定」×「成長」×「分散」×「将来の金利トレンド」をすべてカバーできる、極めて完成度の高いREITポートフォリオになります。
投資で重要なのは分散してリスクをコントロールすることですので、各銘柄のパフォーマンスもさることながらポートフォリオ全体のバランスを確認することが重要です。
まとめ

シンガポールREIT市場には多くの選択肢がありますが、**長期で安定したリターンを狙うなら「安定 × 成長 × 分散」**の3軸が重要です。
今回紹介した5銘柄──
- C38U(CICT):市場を代表する絶対的コア
- J69U(FCT):景気に強い郊外リテールの安定性の柱
- A17U(CLAR):テック需要とも連動するバランス成長枠
- M44U(MLT):金利低下の反転が最も期待できる物流トップ
- AJBU(Keppel DC):AI・クラウド時代の唯一無二のグロースREIT
これらはそれぞれ異なる役割を持ち、組み合わせることでリスクを抑えながら成長も狙える理想的なポートフォリオになります。
配当の安定性、財務健全性、将来テーマの強さ――
いずれも「今後、中長期安心して保有し続けられる」銘柄たちです。
自分に合ったリスク許容度にあわせて組み合わせれば、
シンガポールREITは長期投資の強力な収益源になります。
ぜひ今回の5銘柄を、あなたのポートフォリオ設計の参考にしてみてください。

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