シンガポール在住者のための「資産配分」テンプレート完全ガイド

シンガポール在住者向け投資とお金情報

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シンガポール駐在マン
シンガポール駐在マン

シンガポールでの投資、、何にどれくらいの配分で運用するのがいいのかなぁ

シンガポールに駐在して投資は続けているものの、「この資産配分で本当に大丈夫なのだろうか」と感じたことはないでしょうか

私自身、シンガポールで7年以上にわたり投資を続けてきましたが、その中で強く感じているのは、滞在期間や今後のライフスタイル、そして個人の性格によって、最適なポートフォリオは大きく変わるということです。

日本在住時に正解だった配分が、海外駐在ではそのまま通用しないケースも少なくありません。

実際、シンガポールに来てからも米国株を買い続け、日本の口座は残したまま。
一方で、SGXやS-REIT、シンガポールの貯蓄型保険が気になりつつも、「何をどれくらい持つべきか分からない」と判断を先送りしてしまう——、これは多くの駐在員が直面する、ごく自然な悩みです。

海外駐在になると、投資の前提は大きく変わります。
日本の証券会社では新規投資ができなくなり、通貨は円・ドル・シンガポールドルに分かれ、さらに「帰任」という期限付きのイベントも控えています。

本記事では、「何を買うか」ではなく、「どう配分するか」に焦点を当て、シンガポール駐在員向けの現実的な資産配分テンプレを整理していきます。

著者;ぽちゃ

シンガポールと東京二拠点サラリーマン投資家。運用額4,500万円、年間受取配当70万円。
2018年配当の存在すら知らない状況から投資スタート。その後、投資の重要性を知り備忘録としてブログにて発信開始、最高月間4万PV。
2021年Youtube開始、2022年に「シンガポールでのお金の増やし方」を出版(レビュー★4.5)。
シンガポールの日系最大級メディアSingalifeにて継続的に投資セミナーに登壇中。

  1. シンガポール在住日本人の資産配分が難しい理由
  2. まず押さえるべき3つの前提
    1. ① 投資目的(いつ・何のために使うか)
    2. ② 滞在期間(数年か、長期か)
    3. ③ 収入通貨・将来の生活通貨・運用通貨
  3. 資産クラス別・役割の整理
    1. 米国株:成長を担う中核資産
    2. SGX資産(S-REIT):分散・配当の役割
    3. シンガポール貯蓄型保険:長期・低リスクの安定枠
    4. 日本円(現金):帰任・出口資金
    5. SGD(現金)・債券:判断を誤らないためのクッション
    6. 金・現物資産:通貨・金融システムからの分散
    7. 暗号資産:上振れ要素(少額)
    8. 資産クラス別|特徴・役割まとめ(一覧表)
  4. 駐在員向けタイプ別おすすめ資産配分テンプレ(結論)
    1. ① 3〜5年駐在・成長型
    2. ② 3〜5年駐在・バランス型
    3. ③ 3〜5年駐在・安定重視型
    4. ④ 長期滞在・バランス型
    5. タイプ別おすすめ資産配分テンプレ(一覧)
  5. よくある誤解・NGパターン
    1. 誤解①「円も投資に回さないともったいない」
    2. 誤解②「米国株さえ持っていれば分散できている」
    3. 誤解③「長期資産を短期資金で持ってしまう」
    4. 誤解④「安定型=投資が下手」
    5. 誤解⑤「一度決めた配分は変えてはいけない」
  6. 最適な資産配分をどう実行・維持するか
    1. ① まずは「今の配分」を把握する
    2. ② 一度に完璧を目指さない
    3. ③ 資産アセットごとに「役割」を持たせる
    4. ④ 定期的な見直しは「年1回」で十分
    5. ⑤ 前提が変わったら、配分も変えていい
  7. まとめ|正解を探すより、「自分に合った配分」を持つ

シンガポール在住日本人の資産配分が難しい理由

シンガポール在住日本人にとって資産配分が難しい最大の理由は、投資の前提条件が一気に複雑になることにあります。

まず、日本・米国・シンガポールという複数の制度が同時に関わる点です。
日本では海外居住者になると証券会社で新規投資ができなくなり、一方で投資対象としては日本よりも米国市場が中心になりやすい。

さらに、生活拠点としてはシンガポールにいるため、SGX資産やシンガポールドル建て商品も無視できません。これらの複雑な要因の関係し、判断を難しくします。

次に、通貨が3つ存在することです。
日本円(JPY)、米ドル(USD)、シンガポールドル(SGD)。どれも生活や投資に直結する重要な通貨ですが、何も考えずに投資を続けていると、知らないうちに特定の通貨に偏ってしまうケースが多く見られます。

資産配分を考える際は、商品だけでなく通貨のバランスも意識する必要があります。

さらに重要なのが、「駐在員」と「永住・長期滞在予定者」では正解がまったく違うという点です。

3〜5年で帰任予定の駐在員にとって重要なのは、帰任時に困らない流動性と確実性です。
一方、長期滞在や永住を前提とする場合は、SGD建て資産や長期・安定型の運用も選択肢に入ってきます。

このように、シンガポール在住日本人の資産配分は「誰にとっても同じ正解」が存在しません
だからこそ、自分の立場と前提条件を整理したうえで、配分そのものを設計する必要があるのです。

まず押さえるべき3つの前提

資産配分を考えるとき、つい「何を買うか」から考えてしまいがちですが、その前に整理しておくべき前提があります。ここを飛ばすと、あとから配分に迷いが生じ、相場の動きに感情が振り回されやすくなります。

実際、以下の3つの前提を整理するだけで、資産配分の方向性の8割は決まると言っても過言ではありません。

① 投資目的(いつ・何のために使うか)

まず考えるべきなのは、「このお金をいつ、何のために使うのか」です。

  • 帰任時の生活費や引っ越し費用
  • 数年以内に使う可能性のある資金
  • 10年以上先の老後や将来に向けた資金

これらを同じリスク水準で運用するのは合理的ではありません。使う時期が近い資金ほど、価格変動の小さい形で持っておく必要があります。

特に駐在員の場合、「帰任」という明確なイベントがあるため、目的を曖昧にしたまま投資を続けると、必要なときに使えないという事態にもなりかねません。

② 滞在期間(数年か、長期か)

次に重要なのが、シンガポールでの滞在期間です。

  • 3〜5年程度の駐在を想定しているのか
  • 10年以上の長期滞在、あるいは永住を視野に入れているのか

この違いによって、SGD建て資産や長期ロックアップ型商品の扱いは大きく変わります。

数年滞在の人にとっては、資金の柔軟性を保つことが重要です。
一方で、長期滞在を前提とする場合は、短期的な値動きに左右されにくい資産を一定割合組み込むという考え方も成り立ちます。

③ 収入通貨・将来の生活通貨・運用通貨

最後に整理したいのが、通貨に関する考え方です。

  • 現在の収入はどの通貨で得ているか
  • 将来、どの通貨で生活する可能性が高いか
  • 今後、どの通貨で運用していくのか

これらは必ずしも一致している必要はありません。
重要なのは、一つの通貨に寄りかかりすぎないことです。
通貨もまたリスク要因の一つであり、複数通貨に分散しておくことで、特定の為替変動に過度に影響されにくくなります。

居住地に縛られず、運用通貨を分散させる視点が、駐在中の資産管理では大きな意味を持ちます。

資産クラス別・役割の整理

ここまでで前提条件を整理できたら、次に行うべきは各資産クラスにどんな役割を持たせるかを明確にすることです。

資産配分で迷いが生じる多くの原因は、「すべての資産に同じ役割を期待してしまう」ことにあります。

シンガポール駐在員の資産配分では、役割ごとに資産を切り分けて考えることで、判断が一気にシンプルになります。

米国株:成長を担う中核資産

米国株は、多くの人にとって資産成長のエンジンとなる存在です。
世界経済の成長を取り込みやすく、ETFを活用すれば分散もしやすく、情報量も豊富です。

一方で価格変動は大きく、短期的には大きな下落局面もあります。
そのため、米国株には「近いうちに使うお金」ではなく、中長期で増やす役割を明確に持たせることが重要です。

SGX資産(S-REIT):分散・配当の役割

SGX資産、とくにS-REITは米国株とは異なる値動きをしやすく、分散効果と配当収入を担う資産です。

実物不動産を裏付けとし、シンガポールドル建てで運用できる点は、駐在員にとって大きな特徴です。
値上がり益よりも、ポートフォリオ全体のブレを抑え着実に配当で利益を得る役割が中心となります。

シンガポール貯蓄型保険:長期・低リスクの安定枠

シンガポールの貯蓄型保険は、10年以上の長期保有を前提とした低リスク資産です。
途中解約には制約がありますが、長期で見れば年4〜5%程度の安定的なリターンが期待できます。

短期資金には向きませんが、「将来どこに住んでいても使えるお金」を計画的に積み上げる手段として有効です。
あくまで長期枠として、無理のない割合で組み込むことがポイントです。

日本円(現金):帰任・出口資金

日本円は、増やすための資産というより、帰任や将来の出口に備えるための通貨と考えるのが現実的です。
海外居住者は日本の証券会社で新規投資ができないため、日本円は基本的に現金として保有するケースが多くなります。

帰任後の生活費や一時的な支出を考えると、一定額の円を確保しておくことは、精神的な安心感にもつながります。

SGD(現金)・債券:判断を誤らないためのクッション

現金や債券は、高いリターンを狙うための資産ではありません。
その役割は、相場が荒れたときに冷静さを保つことです。

十分なクッションがあることで、下落局面でも無理な売買を避けやすくなり、結果として長期投資を継続しやすくなります。

債券もリスクを避け着実に資産を増やすには有効な手段です。シンガポールの債権は日本のものより利回りが高いので慎重な方には向いています。

金・現物資産:通貨・金融システムからの分散

金(ゴールド)や一部の現物資産は、特定の通貨や金融システムに依存しにくい資産です。
インフレや通貨価値の変動に対するヘッジとして機能する場面があります。

価格変動はあるものの、株式や債券と異なる動きをすることが多く、ポートフォリオ全体の分散性を高める役割を担います。ただし、配当や利息を生まないことは理解した上での投資が必要です。

暗号資産:上振れ要素(少額)

暗号資産は価格変動が非常に大きく、ポートフォリオの中心に据える資産ではありません。
一方で、少額であればリターンの上振れ要素として機能する可能性があります。

実際私は少額のBTCとETHを2019年頃に購入しましたが8倍ほどになっており、パフォーマンスを押し上げています。

ただしリスクが非常に高いため全体の数%にとどめ、「なくなっても生活に影響しない範囲」で持つことが前提です。

資産クラス別|特徴・役割まとめ(一覧表)

資産クラス主な役割リスク水準期待リターン向いている時間軸主な注意点
米国株(ETF中心)成長エンジン中~長期短期の価格変動が大きい
SGX資産(S-REIT分散・配当中~長期金利環境の影響を受けやすい
シンガポール貯蓄型保険長期・低リスク安定枠中(年4~5%目安)長期(10年以上)ロックアップが長い
日本円(現金)帰任・出口資金短~長期インフレ・機会損失
現金・債券(SGD/USDクッション低~中低~中短~中期リターンは限定的
金・現物資産通貨・金融システム分散中~長期利息・配当は生まない
暗号資産(BTC等)上振れ要素非常に高非常に高長期(余剰資金)価格変動が極端

重要なのは、すべての資産に「増えること」を期待しないことです。

  • 成長を担う資産
  • 安定を担う資産
  • 使うために確保する資産
  • 上振れを狙う資産

それぞれの役割を分けて考えることで、次章の資産配分テンプレが「なぜこの割合なのか」自然に理解できるようになります。

駐在員向けタイプ別おすすめ資産配分テンプレ(結論)

ここからは、これまで整理してきた前提と資産クラスの役割を踏まえ、駐在員向けのおすすめ資産配分テンプレを駐在期間が3〜5年での成長重視、安定重視、バランス型と、駐在期間が5年以上の長期駐在の4タイプ別に解説していきます。

先にお伝えしておくと、ここで紹介するのは「正解を押し付ける配分」ではありません。
滞在期間・優先順位・リスクの取り方の違いによって、合理的な配分はここまで変わるということを、具体的にイメージしてもらうためのテンプレです。

① 3〜5年駐在・成長型

「限られた期間でも、資産成長を最大化したい」人向け

配分イメージ

  • 米国株:50%
  • SGX資産(S-REIT):15%
  • 暗号資産(BTC等):5%
  • シンガポール貯蓄型保険:5%
  • 日本円(現金):10%
  • 現金・債券(SGD/USD):15%

このタイプは、価格変動や為替変動をある程度受け入れられる人を想定しています。
資産成長の中核は明確に米国株(50%)。世界経済の成長を取り込みやすく、中長期でのリターンを狙う「攻めのエンジン」として位置づけ。

加えて、暗号資産を5%だけ組み込んでいるのが特徴です。
これは短期売買を狙うものではなく、全体のリターンに上振れ余地を持たせるためのスパイスです。
なくなっても生活に影響しない範囲に限定することで、リスクを限定しつつ可能性を取りに行きます。

一方で、日本円を10%確保している点は非常に重要です。
どれだけ成長重視でも、帰任時に流動性が不足すると判断を誤りやすくなります。

「攻めながらも、最低限の逃げ道は残す」それがこの配分の思想です。

② 3〜5年駐在・バランス型

「多くの駐在員にとって最も再現性が高い現実解」

配分イメージ

  • 米国株:40%
  • SGX資産(S-REIT):15%
  • シンガポール貯蓄型保険:10%
  • 日本円(現金):20%
  • 現金・債券(SGD/USD):15%

このタイプは、「増やしたいが、振り回されたくない」という多くの駐在員の感覚に最も近い配分です。

米国株は40%とし、成長の恩恵は受けつつも、ポートフォリオ全体を株価変動に依存しすぎない構成。
その分、SGX資産(15%)を組み込み、地域分散と配当収入を確保します。

さらに特徴的なのが、シンガポール貯蓄型保険を10%入れている点です。
これは「今すぐ使わない将来資金」を低リスクで時間に任せて育てる枠です。
株式とは異なる性質を持つため、全体の安定性を高める役割を果たします。

日本円は20%と厚めに確保し、帰任時や一時的な支出に備えます。
判断を急がされない構成であり、迷いにくく、長く続けやすい配分です。

*ちなみに筆者のポートフォリオもこの型に近いです。これまでの運用実績はこちらで公開しています。

③ 3〜5年駐在・安定重視型

「増やすよりも、失敗しないことを優先したい」人向け

配分イメージ

  • 米国株:25%
  • SGX資産(S-REIT):10%
  • シンガポール貯蓄型保険:20%
  • 日本円(現金):25%
  • 現金・債券(SGD/USD):20%

このタイプは、帰任時期や使い道がかなり明確で、相場変動によるストレスをできるだけ避けたい人を想定しています。

最大の特徴は、シンガポール貯蓄型保険を20%と高めに設定している点です。
長期・低リスクで積み上がる資産を軸にすることで、価格変動に対する耐性を高めています。

米国株とS-REITは合わせて35%に抑え、成長の余地は残しつつも、ポートフォリオ全体が市場に振り回されすぎない設計です。
日本円と現金・債券を合わせて45%確保しているため、帰任時や想定外の支出にも柔軟に対応できます。

特に「守りすぎ」ということではなく、駐在員という期限付きの立場において、非常に合理的な戦略です。

④ 長期滞在・バランス型

「シンガポールを生活拠点として考える」人向け

配分イメージ

  • 米国株:40%
  • SGX資産(S-REIT):25%
  • シンガポール貯蓄型保険:15%
  • 日本円(現金):10%
  • 現金・債券(SGD/USD):10%

このタイプは、10年以上など長期滞在や永住を視野に入れた配分です。
生活通貨がSGDになることを前提に、SGX資産と貯蓄型保険を合わせて40%とし、SGD建て資産をポートフォリオの中核に据えています。

一方で、米国株も40%確保し、成長の源泉は引き続きグローバルに分散します。
日本円は10%に抑え、補助的な流動性として位置づけます。

生活と資産の通貨を徐々に一致させていく、長期視点で安定と成長を両立させる配分です。

タイプ別おすすめ資産配分テンプレ(一覧)

資産クラス3–5年・成長型3–5年・バランス型3–5年・安定重視型長期滞在・バランス型
米国株(ETF中心)50%40%25%40%
SGX資産(S-REIT / ETF)15%15%10%25%
暗号資産(BTC等)5%0%0%0%
シンガポール貯蓄型保険5%10%20%15%
日本円(現金)10%20%25%10%
現金・債券(SGD / USD)15%15%20%10%
合計100%100%100%100%

今回紹介したテンプレは、正解でもないですし、今すぐこの通りにしなければならないものではありません。

  • 自分はどのタイプに一番近いか
  • 今の配分と何が違うか

を確認し、調整の出発点として使うことが目的です。

今回のテンプレを参考に一度自分にとってどんな配分が最適かを考えて見てください。

よくある誤解・NGパターン

シンガポールのビル群

シンガポール駐在員の資産配分を見ていると、多くの人が似たような誤解や思い込みから、本来取らなくていいリスクを抱えてしまっています。ここでは、特に多いNGパターンを整理します。

誤解①「円も投資に回さないともったいない」

海外居住者になると、日本の証券会社では新規投資ができません。
それにもかかわらず、「円を遊ばせておくのはもったいない」と感じ、無理に為替を動かしたり、短期運用に回そうとするケースがあります。

しかし、3〜5年駐在者にとって日本円は増やすための資産ではなく、使うための出口資金です。
必要なタイミングで確実に使えることの価値は、想像以上に大きいものです。
円を“運用しない”のは、消極策ではなく戦略です。

誤解②「米国株さえ持っていれば分散できている」

米国株は優れた投資先ですが、米国株=万能の分散ではありません。

米国株に集中しているということは、

  • 株式リスク
  • 米ドル集中
  • 米国経済依存

を同時に抱えている状態でもあります。
通貨や地域、値動きの異なる資産(SGX資産、貯蓄型保険、現金など)を組み合わせてこそ、
本当の意味での分散になります。

誤解③「長期資産を短期資金で持ってしまう」

シンガポールの貯蓄型保険や一部の長期資産は、10年以上触らない前提で設計されています。
それにもかかわらず、「なんとなく良さそうだから」と帰任前提の資金で組み込んでしまうのは典型的なNGです。

ロックアップ資産は、余剰資金でのみ持つ
この原則を外すと、将来の選択肢を自分で狭めてしまいます。

誤解④「安定型=投資が下手」

価格変動を抑えた配分を選ぶと、「攻めていない」「リターンが低い」と感じてしまう人もいます。

しかし、駐在員にとって重要なのは最大リターンではなく、失敗しないことです。
帰任時に困らず、判断を誤らずに投資を続けられる配分は、十分に“良い戦略”だと言えます。

誤解⑤「一度決めた配分は変えてはいけない」

資産配分は固定ではありません。
滞在期間、家族構成、将来の方針が変われば、合理的な配分も変わります。

重要なのは、「考えずに放置すること」ではなく、重要なのは、「考えずに放置すること」ではなく、前提が変わったときに見直すことです。

最適な資産配分をどう実行・維持するか

ここまでで、自分に近い資産配分テンプレが見えてきたと思います。
ただし、資産配分は「決めて終わり」ではありません。どう実行し、どう維持するかまで考えて初めて、意味を持ちます。

① まずは「今の配分」を把握する

最初にやるべきことは、新しく投資を始めることではなく、今の資産配分を見える化することです。

  • 米国株はいくらあるか
  • 日本円はいくら現金で持っているか
  • 通貨別(JPY / USD / SGD)ではどうなっているか

これをざっくりで構いませんので書き出してみてください。
多くの場合、「思っていた配分」と「実際の配分」はズレています。このズレを把握することが、調整の出発点になります。

② 一度に完璧を目指さない

テンプレと今の配分が大きく違っていても、一気にすべてを合わせる必要はありません

  • 新規投資はテンプレに近づける
  • リバランスは年単位で考える
  • 無理に売らない(税金・タイミングを考慮)

特に駐在員の場合、為替・税制・帰任時期など不確定要素が多いため、
段階的に近づける方が現実的です。

③ 資産アセットごとに「役割」を持たせる

資産配分を維持しやすくするコツは、資産アセットごとに役割を分けることです。

  • 成長枠:米国株・ETF中心
  • 分散・配当枠:SGX資産(S-REIT等)
  • 長期安定枠:シンガポール貯蓄型保険
  • 流動性枠:日本円・現金・債券

このように整理すると、「どこで何を買うか」に迷いにくくなります。
結果として、配分も崩れにくくなります。

④ 定期的な見直しは「年1回」で十分

資産配分は、頻繁に触るほど良いわけではありません。
むしろ見すぎると、感情的な判断をしがちです。

おすすめは、年に1回だけ配分をチェックすることです。

  • 大きくズレていないか
  • 滞在期間や家族状況に変化はないか
  • 日本帰任の可能性は変わっていないか

このタイミングで必要であれば微調整する。それで十分です。

⑤ 前提が変わったら、配分も変えていい

資産配分は「一度決めたら守り続けるルール」ではありません。

  • 駐在期間が延びた
  • 家族構成が変わった
  • 帰任後の生活イメージが見えてきた

こうした前提の変化があれば、配分を見直すのはむしろ自然な行動です。
変えないことより、「考えずに放置すること」の方がリスクになります。

まとめ|正解を探すより、「自分に合った配分」を持つ

シンガポール駐在員の資産配分に、万人に当てはまる正解はありません。
滞在期間、将来のライフスタイル、そして価格変動に対する感じ方によって、合理的な配分は人それぞれ異なります。

大切なのは、「何を買うか」よりも「なぜその配分にしているのかを説明できるか」です。
自分なりの軸があれば、相場が動いても判断に迷いにくくなります。

本記事で紹介したテンプレは、今の自分の立場を整理するための“たたき台”です。
完璧に合わせる必要はありません。まずは「自分はどのタイプに近いか」を考え、今の配分と照らし合わせてみてください。

資産運用は、短距離走ではなく長い付き合いです。
焦らず、無理せず、続けられる形を選ぶことが、結果的に一番の近道になります。

この記事が、自分の資産配分を見直すきっかけになったなら嬉しいです。

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